魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

良いボトル、悪いボトル

2015年12月26日 | ワイン ~2019年
ワインの宿命とでも申しましょうか、「良いボトル、悪いボトル」があります。

私のデイリーワインとして飲んでいる安ボルドーの白ワイン。



2002 Ch.ド・ラ・サール
  (仏、ボルドー、コート・ド・ブライ地区、白、千円未満)

輸入元のセールで買ったお手軽な、はっきり言って売れ残りなので、個人的にデイリーワイン
として重宝しておりますが、一般に販売はほぼしておりません。

その理由として、このワイン、当たりとハズレが結構激しいのです。
一定の品質を担保出来ないので「販売」ということになると躊躇せざるを得ません。

昨日はどハズレで、色が濃く、濁っておりました。味わいも甘いのですが、酸化劣化しており、
かなりもっさり、というか鈍い味わいでした。飲むのがきつくてとうとう捨ててしまいました。

で、本日連続で開けたボトルは張りがあり、シャープさも残り、きれいな甘さと
甘露のような熟成感。高級ワインを飲んでいるかのように酔いしれました。


何なの一体?!


ワインの面白さでもあるのですが、「ボトル差」というものがすごく如実に味わえて
しまうんですよね。原因はコルク栓なのかなあ、と感じますが100%の確信はありません。

詰めたタンクや樽によって味わいも違いますし(ロット差)、保管環境、コルク差
などが考えられます。


私が美味しい、高品質、高コストパフォーマンスと思って仕入れ、販売したワインだった
のに、いざお客様が飲む時には違う味だったりするわけです。

恐ろしいことです。


若いワインにはそのブレは少ないですが、熟成したワインほどどうしようもない差が出ます。

「助けて~」と言いたくなる時もありますが、それでも事故は望もうが、望まざろうが
勝手にやって来ます。神のいたずらか、日頃の行いによるものか。
もしもそういった事態に出合っても(多分すでに出会っていると思われます)、それも
含めてワインの世界だとご理解ください。よろしくお願いいたします。

もちろん素敵な女性と飲む時と変なおっさんと飲む時のボトル差も大変なものですけどね。



12月は31日まで無休です。
年越しのワイン、新年のワイン、今のうちにお求めください。

出来るだけ当たりボトルを怪しい念力で選びますので。

コメント
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