スパイシストは見た瞬間に「買わねばならぬ!」というものがあります。
例えばこれ。
カシミールのまぜそば。
カレー大好きとして、ラーメン大好きとしてこの合体技は試さないわけにはいかない。
で、これは結構良かったと思います。カシミール味は良い!
一方、こいはいかんかった。
これはまあひねりの少ないカレーラーメン。ちょっとスパイシーなだけ。
特におすすめは出来ない。でもいずれにせよ試さないわけにはいかないとさ。
そして、今夜のワインはこれ。
やっと飲めます。いろいろ飲まないといけない宿題が多かったので遅くなりました。
このワインも宿題ではあったのですが、まあ鉄板なので。
2017 ブルゴーニュ ルージュ V.V(ベルトラン・アンブロワーズ)
(仏、ブルゴーニュ地区、ピノ・ノワール種、赤、2千円台後半)
V.Vとはヴィエイユ・ヴィーニュの略です。古樹のブドウの木から造られます。
V.V表示のない通常のACブルゴーニュのひとつ上(ちょっとだけ上)になります。
香りはチェリー、カシス、赤い花、奥の方にシナモンやスパイス、絵の具、動物系旨みが
ありますが開けたては十分に出てきません。
味わいは軽やかな中にしっかり感があります。特にタンニンがしっかりしており、少し待った方が
良いよ、と呟かれているようです。酸味は程良いので十分ですが、全体的には閉じ気味です。
もちろんかなり美味しいですよ。それを分かった上でのタニックで閉じ気味。
今飲むならV.V表示のない通常のACブルゴーニュが良いでしょう。V.V表示は確かにひとクラス
上で地域名や村名に近い品質です。そしてこのヴィンテージが愛想の良い優しい年ではなく、
ちゃんとシリアスに味わう価値のあることを示しています。2017年はハズレで2018年こそ
買うべきだと思っていましたが、さにあらず。やはり良い造り手はちゃんとした仕事をしています。
輸入元の争奪戦で入れた在庫がもう少し残ってはいますが、今飲むのなら、意図的に1日目は
ほんの少しだけ飲んで、メインは2日目にお楽しみいただきたい。
販売は通常のACブルゴーニュに切り替えても良いかもです。
もちろんお買い上げになられたお客様は、今飲むのなら2日目をメインで。もしくは1年ほど待って
来年の夏を過ぎてから飲まれることをおすすめいたします。多分ぐっと親しみやすくなって
いることでしょう。でもこのワインは今買わないと買えないんですよねえ。
どうしても愛するアンブロワーズのワインだからこそそう思います。