(↑冬の間死んだようだった「シクラメン」。ひとつ花を咲かせてくれました)
そこで、イエスは次のたとえを話された。
「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。」 ルカによる福音書15章3節〜6節
ロシアの大統領プーチン氏が、
ロシア正教の「イースター礼拝(2022・4・24)」に出ているシーンが
ニュースの映像で流れました。
彼はどんな思いで神の前に出ているのだろう、
自分の罪をどう見て、どう感じているのだろうか・・・。
大きく胸を張っている姿を見て、
わたしの方が苦しい気持ちになりました。
日本の知識人の中には、
この戦争を西欧のキリスト教とロシア正教の「宗教戦争」だと位置付ける人もいます。
カトリックとロシア正教の歴史を紐解くと、
袂をわかっていった歴史的背景から、
一面そのように言えるのかもしれません。
ロシア正教には、現世における「神の代理人」としての統治者観があり、
それが今の大統領プーチン氏ということになってるわけです。
モスクワ総司教も「ウクライナ侵攻」を支持しています。
人の罪の最大恐ろしいところは、
「神の名を用いて自分の立場を正当化する」というところです。
神に後押しされていると「思い込んでる」人ほど手をつけられない存在はいません。
キリスト教会も、
キリスト教を信じている為政者もこの罪を随分犯してきました。
だから、
ここでカトリックが正しくてロシア正教が正しくないとかそういう論議をしているのではなく、
どんな立場であっても、
自分を正当化するために「神を用いる」のは最悪だということです。
これは、こう言ってる自分にも言えることだと自戒してもいます。
誰も自分を蚊帳の外に置くことなどできないからです。
ロシアが侵攻の大義名分にしている、
ウクライナ東部地方であったとされる
ロシア系住民への虐殺行為についても、
そこに駐在しておられた元ウクライナ大使の間ですらも
話が分かれています。
この戦争全体が情報戦で、
何が真実なのかは第三者のわたしたちには、
本当のところは見えて来ていません。
一生懸命理解しようと情報番組で、
日々「やれ、どこにロシア軍が進駐したの、どこが占領されたの」と、
放映されているのを見ていると、
「外側から陣取り合戦を見ている」ような自分の存在すら嫌になります。
もちろんそういう情報がなければ、
遠くの国で、日々何が起こってるのかを知ることもなくぼんやり過ごすことになるわけですから、
情報はすごく大事だと思うけれど、
情報番組での、
素人が、戦争の細かいことをあれこれコメントするような流れはどうなんだろうと感じてもしまいます。
でも、これだけははっきりとしています。
ロシア側がウクライナに侵入したということ。
どんな理由があったとしても、
とにかく他国に入ったロシアが悪い
ロシアは主権を持ったウクライナから即時撤退すべき
もうこれだけだと思うのです。
分家であろうが、遠縁にあたる家であろうが、
土足で、それも武器を持って他の家に入ってきたらダメ、
犯罪ですよね。
それでアウト。
この論理でいけば、
もちろんこれまでアメリカがやったイラク侵攻もアメリカがアウト。
第二次世界大戦の時、韓国や中国、アジアに侵攻した日本もアウト。
他人の家に踏み込み、荒らした罪はいずれにしても大きい。
そして、
それにいろんな理由、特に宗教的な後押しをつけるというのは、
一番最悪。
ある元ウクライナ大使のお一人が、
以前こんなことをおっしゃってたのが印象的でした。
「ロシア正教の信者はウクライナにもいます。
羊飼いであるキリル大司教にとっては、
ウクライナの信者も羊の一人一人のはず。
彼にはそれらの羊たちに対しても責任があります。
しかし、彼はそれらの羊たちを狼の中に放り込んでるのです・・・・」
このような内容でした。
その時代の流れや国の状況、さまざまなしがらみ、自己保身など全てを脱ぎ捨てても、
キリストがそうであったように、
牧者は羊を、その1匹まで守る責任があります。
自分の身を投げ出してでも・・・。
政治家は当然ながら、
宗教家もその立場が高くなったり、
力を持てば持つほど、
その行動、言動の全てが人に影響を及ぼしていく、
その責任は非常に重いです。
それはその人が死んでからも引きずっていくこと。
神はそのすべてを見ておられるとわたしは信じています。
そして、ただただ、侵攻されたウクライナの人々に、
再び安心して眠れる平和が一刻も早く訪れることを強く祈ります。
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