平成25年になって、12分の1が過ぎてしまって、もう2月。
明3日は節分、そして4日は立春。
今日も天気は良さそうなので、串木野まで墓参りのために車を走らせた。
明日も天気予報では晴で、またバイクを走らせるつもりだし[E:smile]、来週になると天気があまり良くないようで墓参りとか行けそうもないし。[E:coldsweats01]
もう、更地になってしまっているのだが、敷地に植えられた3本の寒緋桜は、2本は満開で、一番大きな樹が7分咲き。
手頃な枝を切り取って、大きめの花瓶にさしてみたら、家の中が華やかになって、いっぺんに春がやってきたようだ。
藤沢周平の作品「山桜」の季節よりも少し早いのだが。
田中麗奈や東山紀之主演で公開された映画「山桜」は、小品だが丁寧に言葉を選んで書かれた素晴らしい作品で、作品の冒頭から、季節が目に浮かんでくるようだ。
花ぐもりというのだろう。 薄い雲の上にはぼんやりと日が透けて見えながら、空は一面にくもっていた。 ただ空気はあたたかい。もうこの間のように、つめたい北風が吹くことはないだろう、と野江は思った。
墓参りをすませて寺の門を出たとき、野江はふと、左手に見える野道を歩いて帰ろうかと思った。 細い野道は、曲がりくねって丘の下を通り、その先は丘の陰に消えている。はじめての道だが、歩いていけばいずれ町はずれに出るだろうと思った。
丘の斜面から一カ所、道に覆いかぶさるように花がしだれているのが見える。薄い紅いろをふくんだ花は、ひょっとしたら桜かと思われたが、桜が咲くにはまだ早い気もした。 野江は、今年の桜をまだ見ていない。あるいは紅梅の残りかも知れなかった。
薄日のあたたかさと、遠くに見える花に誘われるように、野江は丘沿いにのびる道に降りて行った。 いそいでもどることは・・・・・