どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)78 『夢のゆくえ』

2012-10-16 00:24:55 | 短編小説
     (夢のゆくえ)  翔太はその夜ふしぎな夢をみた。 夢の中で、彼は二階の子供部屋の窓辺に立っていた。 丘の上の二階家だから、下を走る国道からは三階建て以上に見える。 その部屋の大きなガラス窓に手を当てて、翔太は青黒くひろがる海をみつめていた。 堤防の向こうは片瀬海岸だ。 丘の上から見下ろす浜辺を、静かな時間が流れていた。 夢とわかっているのに、翔太を包む空気の感触はやわらかかった。 普段 . . . 本文を読む
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