能條桃子さん いきなりお名前を出してご迷惑かもしれません
しかし「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事という日本の活動家に免じて
お教えいただきたいのです〈万が一この詩が目に留まったら〉
まずはお名前を見てハッとし
以前、ご一家が平塚市にお住まいだったと知り
矢も楯も堪らずにお尋ねします
おじいさまは日本の役所にお勤めではなかったでしょうか
ぼくらは能條先生を . . . 本文を読む
朝顔は東京には空が無いという
ほんとの空が見たいという
ぼくは驚いて空を見る
地面ばかり見ていたから気が付かなかったが
きみはほんとの空を探してたんだね
自分だけの空に手を差し伸べて
あしたも同じ空がほしいと
あどけないことをいう朝顔だったんだ
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オクラがやっと葉を広げ始めた
ずいぶん時間がかかったなあ
今は草だがすぐ木になる
いったん採れ始めると矢継ぎ早
小ぶりのうちに摘み取って
まな板の上でトントントン
肉にも刺身にも合うんだよなあ
こいつは最高の脇侍だ
実る前からこの調子じゃ
一か月後にはどうなるんじゃい
&nbs . . . 本文を読む
新じゃが
なんだか冴えない姿だが
茎が枯れるのを待って
試し掘りしてみたジャガイモだ
大量に獲れた方の写真では
畑を埋め尽くすほどのリッチ感だが
1メートル幅のスペースだから仕方がない
時期遅れの植え付けにもかかわらず
きみたちよくガンバッタね
今夜はフルコースにするからネ
肉じゃがにするけどそれでいいだろう?
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ジャガイモの花
〈ウェブ画像〉より
ジャガイモの種芋を畑に埋めて4週間が過ぎた
例によって一周遅れの家庭菜園だから
情報に従って葉や茎が黄色く枯れるのを待っている
ジャガイモはマーケットで買ったメークインだが
芽を出してしまったからあわてて植えたものだ
芽を出した方を下にして埋めたがそれでよかったのか
疑問を払拭するように枝 . . . 本文を読む
ホタルブクロ
画像は〈季節の花300より〉
昼間 白いホタルブクロの前で
ふたりの女の子がしゃべっていた
ねえ クレハちゃん
このホタルブクロの中に妖精が隠れているのよ
うそだ メミルちゃん見たことあるの?
クレハのこと だましちゃいやだよ
見たことはないけど きっと妖精がいる
夜中にホタルブクロを見るとボウ . . . 本文を読む
駐車場の奥の崖下に
黄色い百合が咲いていた
梅雨入り前の真夏日の午後
人間どもがあえぐ日盛りに
黄色い百合はいとも涼しげに
大きな花を咲かせていた
なんだかノカンゾウに似ているが
きみは野の百合だよね
群れてないところが最高だ
花言葉は「陽気」というんだって
きみに出合ってよかっ . . . 本文を読む
人は 花を追い
花に慰められて 生きている
蜂や 鳥は
蜜という獲物を 求めるが
人は 花を眺め
花を称えて 生きている
よきかな人生 花は心の友
節目節目に 花をささげ
花を手向けられて 終わる
よきかな人生 花と連れ添う日々
よきかな人生 花は包容力
花に抱かれて とわに生きる
. . . 本文を読む
堤防沿いの桜並木が
満開になったばかりの今日
冷たい風雨にさらされた
たくさんの花びらが散歩道を覆い
水面に飛んだ花が川岸に吹き寄せられる
花筏になって川岸にまつわりつく
乗ってみたいなあ 花筏
幾重にも重なり分厚い布団のよう
花筏の上で眠ったらいい夢見るだろうな
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リビングルームのソファーの陰から
『獺祭』の2022年物が出てきた
すわッ、プレミアム価格はいくらぐらい?
調べてみたら大したことはない
我が家の呑ん兵衛がいつか飲もうと大事にしすぎて
家族が偶然見つけてしまったようだ
我が家に『獺祭』ねえ 似合わない似合わない
そう思いつつ満更でもない気持ち
日本酒は若いうちに消費するもの
洋酒のように古さが価値 . . . 本文を読む
投げた 打った
一二塁間を抜けそうな球に食らいつく
二塁手が膝まづいて送球
間一髪 アウト
センバツ高校野球が始まった
北国からの代表 南国からの球児
みなキビキビと 溌溂と
声援を背に白球を追う
いいな 球春
古豪も初出場校も
奢〈おご〉らず 竦〈すく〉まず
練習で鍛えた通りの実力を発揮する
優勝校を予想するのはまだ早い
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いつも拝見するブログの記事の中に
地球は子孫からの借り物です・・
という石碑の写真が掲載されていた
ふと思い出したが誰の言葉かわからない
地球を汚さずに子孫に渡すようにという願いだが
大型台風や洪水・山火事など地球を汚した罰をすでに受けている
気候変動と化石燃料に関係性はない
御用学者の説を持ち出したトランプを
グレタさんが睨みつけた
. . . 本文を読む
夕ご飯の支度にかかる頃から
遠くでゴロゴロやっていた雷鳴が
稲光と共に近づいてきた
そういえばテレビのテロップで
横浜に大雨注意報が出ていたが
まさか落雷を伴なうとは思ってもみなかった
ピカッと窓いっぱいに光があふれ
続いてドドーンと足もとが揺れる
あッ 落ちた 「怖いよー」と悲鳴が上がる
生まれて初めて落雷を体験する孫の興奮
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家の近くの樹の枝にとまって
こっちの動向を窺う見張りガラス
家庭ゴミの出し方に抜かりがあると
仲間を呼んでたちまちワルサをする
一番の狙いめはプラスチックゴミの日だ
マヨネーズのチューブが入っていないか袋をつつく
食べ残しのポテトが入ったプラ容器も大歓迎
不発の日が多くても成功体験が優先する
見張りガラスは勤勉だ
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道端の白いタチアオイが花開き
下から順に花開き
すでに八個も花開き
残る蕾がもうすぐ自分の番かと待っている
咲き終えた白いタチアオイの花は
しだいに茶色く萎れていき
下から順に萎れていき
咲き残ったツボミは誇らしげに輝いている
ハクモクレンほど短命ではないが
白い花はいずれ哀れな姿になる運命なのか
いやいやそんなことはない
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