どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム235 『筏葛に秋波を送られて』

2019-05-28 00:00:00 | ポエム
       イカダカズラ     (城跡ほっつき歩記)より           初夏の光は 希望の使者   ほら 筏に乗ってあなたのもとへ   切れ味鋭い秋波が送られる   ああ うす紫の誘惑よ   イカダカズラのいたずら心だろうか     18世紀にリオデジャネイロで発見された   南米ブラジル原産の情熱的 . . . 本文を読む
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どうぶつティータイム(220)『畑に夏がやってきた』

2019-05-20 23:14:56 | 植物
      スナックエンドウ    畑が狭いから、スナックエンドウの苗木は1本だけ。  それでも4月後半から花が咲き、実をつけてくれた。  しろうとには、どんなものでも実をつけてくれる野菜はうれしいものである。       ゴーヤ    ゴーヤも同じ意味で楽しめる。  まだ成長は遅いが、もうちょっと気温が上がると一気にネットを駆け上る。 . . . 本文を読む
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ポエム234 『物騒ながらイシャコロシ』

2019-05-16 00:29:27 | ポエム
      キランソウ(金蒼小草)   (城跡ほっつき歩記)より        聞いて驚くなよ 皆の衆  オイラの異名は医者殺しっていうんだ  まるで凶悪きわまりない殺人犯みたいだろ?  でもさあ ほんとは誉め言葉なんだって    医者いらずとか医者泣かせと同じ意味  それなら納得だが ちょっとキツイよな  ほかに地獄の窯の蓋とも呼 . . . 本文を読む
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ポエム233 『ポピーと歌おう』

2019-05-11 00:00:09 | ポエム
       アイスランドポピー     (城跡ほっつき歩記)より        さあ ポピーたちよ  いっせいに歌おう  丘の上 ひなげしの花で  うらなう あの人の心    橙色も 黄色も 白も  みんな思い切り口を開けて  アグネスチャン風に歌おう  青い空まで届くような高い声で    今日もひとりな . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)122 『九十九峠』

2019-05-04 00:19:17 | 短編小説
 九州の大分県には、いまでも山深い地域がたくさんある。  その一つに、むかし大道村と呼んだところから高瀬村という場所へ抜ける峠があり、その峠と手前の池にまつわる言い伝えが人びとの記憶の襞に刻み込まれている。  時代はわからない。  おそらく江戸時代かそれ以前の出来事かと思われる。  そもそも「峠」という字には、きわめて日本的なニュアンスが含まれている。  漢字ではなく、日本で生まれた国字 . . . 本文を読む
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