(ウェブ画像)より
林の中の吹き抜けの拝殿には
たまに見たことのない神様がいる
木漏れ日に覆われた夏の昼下がり
たまたま拝みに立ち寄ると
薄暗い拝殿の奥で横になっていた
通り抜ける風がよほど心地よくて
うとうとと眠り込んでしまったのか
ぼくも昼寝をしたかったが
神様の横では畏れ多いから
すごすごと引き下がったのだ
. . . 本文を読む
〇 「牛乳」とかけて 「タレントの彼氏」とときます
そのこころは 「たまに捨てられます」
〇 「プレバト」とかけて 「中年の健康法」とときます
そのこころは 「どちらもハイク(俳句とハイキング)がメインでしょう」
〇 「内閣法制局の検証報告書」とかけて 「コンビニのおにぎり」とときます
そのこころは 「ふわっと握って海苔を巻き黒塗りにするでしょ . . . 本文を読む
お亀蔦
(ウェブ画像)より
おかめ ひょっとこ お神楽の
たれ目の出番と期待をしたら
あなたの名前は お亀さん
お亀蔦とはびっくりこん
たしかに形はカメのよう
水底にひしめく子亀の群れが
うようよ泳ぐ暗い池
言われてみれば うなずくばかり
ちょっと待ったと異議申し立て
頬ふくらますお多福さん
おかめとお多福の間には
深 . . . 本文を読む
「当時三美人 冨本豊ひな 難波屋きた 高しまひさ」 喜多川歌麿 寛政5年頃(1793)
(浮世絵美術館蔵・ウェブ画像)より
陣内眼科医院の待合室は、花粉症で悩む患者で溢れかえっていた。 毎年この時期になると患者が増えるのは仕方がないのだが、院長の陣内はいつにも増してあからさまな仏頂面を崩さなかった。 診療報酬が伸びるからといって単純に喜ぶ男ではないから、そのこと自体 . . . 本文を読む
お天気のご機嫌が定まらずグズグズしていたせいか、オクラは想定していたよりも背が伸びないうちに実をつけてしまった。
それでも再び暑さが戻ってくるそうだから、次々と収穫が出来そうだ。
収穫と言えば、キウイも次第に大きくなって、リスとの攻防が激しくなりそうだ。
朝顔も、だんだん咲きそろって、 . . . 本文を読む
〇 「じゅん散歩」とかけて 「箱根の温泉」とときます
そのこころは 「どちらも いい加減がうけてます」
〇 「新型コロナ第7波」とかけて 「来日中のメッシ・ネイマール」とときます
そのこころは 「感染者(観戦者)の数が多くても驚きません」
〇 「振り込め詐欺」とかけて 「正月の凧揚げ」とときます
そのこころは 「どちらも よく電 . . . 本文を読む
ハマナス
(季節の花300)より
おめらおめら ことしもハマナスが咲いたど
なんてきれいなんだ おらが嫁っことドッコイだべ
アハハ こんなこと嫁がきいたら
おど ばかいうでねえと顔赤くすっぺなあ
ハマナスは一重瞼のおなごのように美しか
細めた瞳からは潮騒の音が聴こえてくる
浜辺でのんびりと昼寝も似合いそうで
ハハ おらが嫁っこを見ているようだ
. . . 本文を読む
前回の「なぞかけ問答」は、ねづっちの巧さがきわだちましたので、
さっそく、そのカラクリを拝借することにしました。
◇ ◇ ◇
〇 「ニトリ」とかけて 「ブレンダー(調香師)」とときます
そのこころは 「どちらも家具(嗅ぐ)仕事でしょう」
〇 「ヤクルトの優勝マジック」とかけて 「どらえもん」とときま . . . 本文を読む
(朝の酔芙蓉)
画像は(RORTI)より
太陽の化身 ひまわりも
酷暑に咲く 仏桑華(ハイビスカス)も
戦争という悲劇に 巻き込まれた
玉音放送を 項垂れて聴いた人びとは
沖縄の悲惨を あまり知らなかった
ハイビスカスを 仏桑華と呼ぶことも
美しさの代名詞でもあった 芙蓉の花
火炎放射器に焼きただれた沖縄には
仏桑華(芙蓉)は 似合い . . . 本文を読む
「ねづっち」を見なくなって久しい。
Wコロンをコンビ解消した後も活動しているらしいのだが、
YouTubeチャンネルで、塙の番組に出た時の「謎かけ」が評判だ。
塙にお題の「メディア」を振られると、数秒後には「ととのいました」
「メディア」とかけまして「秘密」とときます
そのこころは「かくしごと(隠し事・書く仕事)があるでしょう」
あとは検索して探していた . . . 本文を読む
いやいや、朝まるで弱いのはアサガオではなく、ぼくの方なんです。
夜更かしが続いているものだから、8時ごろ起きて庭に出てみると、まだ咲いているものもあるけど、たいがいは凋んでしまう。
(寝坊助のお前なんかに見せてやらないぞ)と、いじわるされている気がする。
一大決心をして6時ごろに起き出し、なんとかスマホに収めたのがこの画像。
まあ、数 . . . 本文を読む
立ち入り禁止のロープを跨いだ瞬間、草に滑ってわずかに体が揺らいだ。 ステッキでバランスをとり、なにごとも無かったように姿勢を戻した。気付かれたかどうか、少年たちの表情を確かめたい誘惑に抗して、数馬は次の一歩を踏み出した。 築山の傾斜は、眺めていたのと違ってかなりの険しさを秘めていた。 日ごろの散歩で、それなりの自信を付けていたはずだが、彼の自負も体と一緒に揺らいでいた。 杖を先導に、前傾姿勢をと . . . 本文を読む
立ち入り禁止の柵に沿って築山を半周すると、裏側に隠れた少年たちの動向が分かりそうだった。 数馬は、いつになくゆっくりと足を運びながら、自分の気持ちがいささかの方向性を持つのを待った。 いまはまだ、道がそこへ向かっているから進んでいるだけだ。言ってみれば、道の意思だ。 まもなく道は築山にぶつかり、右に大きく曲がる。そこから左回りの円を描きながら、ロープに沿って丘の裏側に回りこむか、途中から分かれて . . . 本文を読む
相変わらず、芝生のあちこちから歓声が上がっていたが、その声は乾いた風にのって拡散し、青空に吸い込まれていった。 数馬には、公園がその面積を少し狭めたように感じられた。 いつの間にか木々の影が伸びて、走りまわる人も犬も、ときどき光の円を踏み外していく。 折りしも、立ち話に夢中の母親の隙をついて、よちよち歩きの幼児が光と影の境界を越えた。一瞬、目くらましにあったように幼児が消える。はっとして目を凝ら . . . 本文を読む
美雪が熱を出すたびにハラハラしたが、再びひきつけを起こすことはなかった。やはり幼児期特有の熱性痙攣だったのだろうと、小学校に通い始めた娘を見送りながら安堵したのを覚えている。 それでも、子供ひとりを育てるのは大変なことだった。ひとりっこだから、余計に苦労が多かったということもできる。 中学受験のころから過保護への反発が始まり、入学してからはクルマでの送り迎えを嫌がるようになった。それでもなお事故 . . . 本文を読む