どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム163 『水茄子を恋う 』

2017-06-30 01:25:10 | ポエム
       水茄子     (泉州水なすPR画像)より         ひゃー、こうべ病むなあ   田舎のばあちゃんがしわくちゃの顔を綻ばす     たんぼの畦で早めの昼飯が始まったのだ   手には持ってきた曲げわっぱの弁当箱     今しも汲んできた清水がヤカンから注がれる   弁当箱の中はたっぷりの水とコメ . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(204) 『探しあぐねて日が暮れて』

2017-06-22 00:00:36 | エッセイ
   先週の週末、かねてから探していた本を見つけ出すため、北軽井沢の山小屋に出かけた。  しばらくご無沙汰していた庭や畑は草が伸び放題で、とりあえず目に付いた楢の実生やドクダミを抜くことから手をつけた。  どんぐりは無数に落ちていて芽を出すのだから、抜く方も大変だ。  ドクダミも地下でつながっていて、これもた応急の対処だけで、一年も経たないうちに元通りとなることは必定だ。 &n . . . 本文を読む
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ポエム162 『天狗の団扇がお似合いか』

2017-06-15 00:59:00 | ポエム
       アンスリウム・アンドレアヌム     (城跡ほっつき歩記)より         何かに似てる 誰かに似てる   そんなことを思ったことはないですか     トレンド女優に似てる イケメン男優に似てる   鏡の中の自分にうっとりした時期もあったでしょう     誰に似ているか 何に似ているか    音 . . . 本文を読む
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ポエム161 『紫鷺苔とチルチルミチル』

2017-06-09 01:25:02 | ポエム
       紫鷺苔         ムラサキをもう少し使ってもいいですか   ムムの庭に高貴な色を配したいのです     紫鷺苔のムムが駄々をこねてぃる   何が不満なのか地べたに寝転がってジタバタする     むらさきはムムの憧れなのです   心の渇きはムラサキでしか癒されないのです     5月 . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(203) 『ガルシア・マルケス作「落葉」の喚起力』

2017-06-02 00:12:24 | 書評
   ガルシア・マルケスの処女作「落葉」(高見英一訳)は、これまでに味わったことのない深層からノックされるような感覚に満ちています。  ぼくの読後感から言えば、まるで船酔いのまま明け方を迎えた大島航路の三等船室風景のように、疲労と倦怠と安堵のなかで船底から突き上げるエンジン音を聞きながら横たわっているような気分です。    まず、序章から一部を引用して、船酔いを喚び起こ . . . 本文を読む
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