浅間高原
「遠雷」
カミナリが 鳴っている
虚空にひそむ
なつの いのち
雄々しき悲しみよ
シメキッテシマッタ
こころの隅に
いきいきと よみがえる
父の眼差し
なおも痛む
その 青い傷あとは
心にひびく カミナリ
いまは 父よ
傷あとは蒼いが いつか
きっと遠雷が去るように . . . 本文を読む
(ダリの絵のように) おいら、もう嫌になっちまった。 人の役に立つと思えばこそ、損な役割を引き受けてきたのに、このところの悪しざまな言いようはいったい何なのだ。 ついこの間まで、ブランドだなんだと祀り上げておいて、ちょっと風向きが変わった途端に、疫病神の如く忌避するのはひど過ぎるじゃないか。 なになに、おいらの身体から放射性セシウムが検出されただと? そうか、この間何とかいう検知器を押し . . . 本文を読む
(妖し家からの逃亡) ぼくたちは二階から梯子を使って降りた。 玄関の手すりが、靴の泥で汚れていた。 (早く帰ろう?) 妻が目配せした。 ぼくたちは急いでその家を離れた。 敷地の門から十メートルほど出たところで、妻が後ろを振り返った。「あっ、あなた逃げて!」 わけも言わずに、妻が凄いスピードで走りだした。 前方には住宅街を挟んで左右に二本の道があり、妻は右の道を声を発しながら走った。「はっ . . . 本文を読む
「中村ブン・コンサート」にて(撮影K・A氏)
< 川口京子さんのプロフィール>
子供の頃、歌手の上野耐之氏から歌を教わる。早稲田大学第二文学部中退。これまでに「北原白秋を唄う」「野口雨情を唄う」「日本の唱歌」「戦後のこどものうた」「歌でつづる日本の自然」といったテーマでソロコンサートを行なう他、藤田圭雄氏「唱歌事始」、阪田寛夫氏とのシリーズ「童謡の天体」、小 . . . 本文を読む
(遅咲きのたんぽぽ・中村ブン☆コンサート「ふりむくな哀」)
7月3日(日)午後2時、中野ゼロ小ホールで、中村ブンさんのギター弾き語りを中心にしたライブ・コンサートが始まった。
かねて友人二人からブンさんの素晴らしさを聞いていたが、じかにステージを目にするのは初めてだった。
「ふう~ッ」
演出だろうが、オープニングのあいさつで、ちょっとばかり疲れた感じ . . . 本文を読む
(黒山三滝)
森林公園まで百合を見に行くはずが、道路の混雑と暑さに嫌気がさして急遽『黒山三滝』に行き先を変更した。
ちょうど毛呂山のあたりを走っていたので、あっという間の心変わりであった。
それでも黒山三滝への案内は、北軽井沢通いの幹線道路交差点で見かけ、一度は行ってみたいと思っていた。
だから、いざ行くとなると、にわかに期待が膨らむのだった。
. . . 本文を読む