どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

新むかしの詩集(4) 「遠雷」

2011-07-31 01:57:00 | ポエム
     浅間高原      「遠雷」     カミナリが 鳴っている   虚空にひそむ   なつの いのち   雄々しき悲しみよ   シメキッテシマッタ   こころの隅に   いきいきと よみがえる   父の眼差し   なおも痛む   その 青い傷あとは   心にひびく カミナリ   いまは 父よ   傷あとは蒼いが いつか   きっと遠雷が去るように . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)53 『ダリの絵のように』

2011-07-25 02:29:36 | 短編小説
     (ダリの絵のように) おいら、もう嫌になっちまった。 人の役に立つと思えばこそ、損な役割を引き受けてきたのに、このところの悪しざまな言いようはいったい何なのだ。 ついこの間まで、ブランドだなんだと祀り上げておいて、ちょっと風向きが変わった途端に、疫病神の如く忌避するのはひど過ぎるじゃないか。 なになに、おいらの身体から放射性セシウムが検出されただと? そうか、この間何とかいう検知器を押し . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)52 『妖し家からの逃亡』

2011-07-21 00:14:45 | 短編小説
     (妖し家からの逃亡) ぼくたちは二階から梯子を使って降りた。 玄関の手すりが、靴の泥で汚れていた。 (早く帰ろう?) 妻が目配せした。 ぼくたちは急いでその家を離れた。 敷地の門から十メートルほど出たところで、妻が後ろを振り返った。「あっ、あなた逃げて!」 わけも言わずに、妻が凄いスピードで走りだした。 前方には住宅街を挟んで左右に二本の道があり、妻は右の道を声を発しながら走った。「はっ . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(132) 『歌唄い・川口京子さんのこと』

2011-07-13 02:10:15 | 音楽
       「中村ブン・コンサート」にて(撮影K・A氏)    < 川口京子さんのプロフィール>  子供の頃、歌手の上野耐之氏から歌を教わる。早稲田大学第二文学部中退。これまでに「北原白秋を唄う」「野口雨情を唄う」「日本の唱歌」「戦後のこどものうた」「歌でつづる日本の自然」といったテーマでソロコンサートを行なう他、藤田圭雄氏「唱歌事始」、阪田寛夫氏とのシリーズ「童謡の天体」、小 . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(131) 「中村ブン☆コンサート」を観て

2011-07-08 02:18:41 | 音楽
           (遅咲きのたんぽぽ・中村ブン☆コンサート「ふりむくな哀」)  7月3日(日)午後2時、中野ゼロ小ホールで、中村ブンさんのギター弾き語りを中心にしたライブ・コンサートが始まった。  かねて友人二人からブンさんの素晴らしさを聞いていたが、じかにステージを目にするのは初めてだった。 「ふう~ッ」  演出だろうが、オープニングのあいさつで、ちょっとばかり疲れた感じ . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(130) 『黒山三滝』

2011-07-02 02:20:41 | ドライブ
           (黒山三滝)  森林公園まで百合を見に行くはずが、道路の混雑と暑さに嫌気がさして急遽『黒山三滝』に行き先を変更した。  ちょうど毛呂山のあたりを走っていたので、あっという間の心変わりであった。  それでも黒山三滝への案内は、北軽井沢通いの幹線道路交差点で見かけ、一度は行ってみたいと思っていた。  だから、いざ行くとなると、にわかに期待が膨らむのだった。   . . . 本文を読む
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