どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(109) (映画 『倫敦から来た男』を観て)

2009-12-29 01:10:51 | 映画
          (映画『倫敦から来た男』を観て)  出不精なオッチャンが、わざわざ渋谷シアター・イメージフォーラムまで出向いて、最近には珍しいモノクローム映画を鑑賞してきた。  原作が『メグレ警視』シリーズで知られるジョルジュ・シムノンというのも、気を引かれた要因の一つである。  まだこの本を読んではいないが、テレビで観たメグレ警視の人物像から、今回の主人公の性格も極めて文学的だろうと . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)18 『樹木葬』

2009-12-22 00:08:35 | 短編小説
     (樹木葬)      東北地方の寺が、樹木葬の希望者を募集しているというので、慎平は妻と連れ立って秋の行楽がてら見学に行った。  ここ数年で認知されるようになったとはいえ、一般的にはまだ馴染みの薄い埋葬形態であった。  還暦を迎えた頃から、自分の墓所をどうするか、ときどき意識にのぼらせるようになった。  親の庇護から離れた次男と三女の所帯だから、新たな墓地を探さなければな . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(108) 『溶岩流の爪あと鎌原観音堂』

2009-12-15 05:35:02 | 歴史散歩
     (溶岩流の爪あと鎌原観音堂)     先月末に北軽井沢から嬬恋地区をドライブした折、鎌原観音堂を訪れた。  ご存知の方も多いと思うが、ここは天明三年の浅間山大噴火によって溶岩流が押し寄せ、階段の一部を残して呑み込まれた場所である。  画像に見える赤い欄干の橋から上が、辛うじて埋没を免れた。  次の画像にある立て札に、当時の様子が詳しく説明されている。  文字が見えないだ . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)17 『やもめの水兵さん』

2009-12-08 03:43:46 | 短編小説
     (やもめの水兵さん)       秋が深まった頃、あの男が再びやってきた。  今度は、海辺の町で船乗りの父を待つ少女の室内シーンを撮るのだという。  前回同様、三日後のアパート使用を申し込んできた。  同じ部屋を、一日限りの賃料で契約し、映画のプロデューサーは満足そうに引き上げていった。  家主の老人は、一時中断を余儀なくされた午後のサスペンスドラマに戻り、海辺のシーン . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(107) 『深大寺元三慈恵大師ご開帳』

2009-12-03 05:19:40 | 歴史散歩
     (深大寺元三慈恵大師ご開帳)  本日12月3日をもって、25年に一度(本来は50年に一度)という秘仏のご開帳が終了する。  もともと比叡山の第十八代天台座主であった慈恵(じえ)大師が、正暦二年(991)に深大寺に遷座され、この地で入寂したとのことである。  正月三日に亡くなったことから、通称元三(がんざん)大師と呼ばれ庶民に大変人気があったらしい。  『おみくじ』の創始者と伝 . . . 本文を読む
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