どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(189) 『鉄腕アトムの歌が聞こえる』

2015-09-30 22:53:03 | 書評
                    (手塚治虫の光芒を間近にして)       2015年8月6日、手塚治虫の仕事ぶりをつぶさに見てきた著者が、一冊の本を上梓した、  タイトルの『鉄腕アトムの歌が聞こえる』~手塚治虫とその時代~は、まさにこの本の内容を包括していて、私的な感想を付け加える余地はほとんどない。  冒頭に挿入されている「鉄腕ア . . . 本文を読む
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ポエム106 『一面ホトケノザ』

2015-09-25 03:32:00 | ポエム
       ホトケノザ     (城跡ほっつき歩記)より      田んぼ一面をホトケノザが覆った 鎮守の森の崖下にひろがる谷地の 村人がみなそっぽを向く難儀な深田だ   戦争で強制疎開させられた鉄道マンの父が ふるさとを頼ってこの深田を借りた 腰まで浸かる場所も厭わず耕した   妻と子供を飢えさせないために . . . 本文を読む
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ポエム105 『なでしこの町』

2015-09-19 00:02:06 | ポエム
       なでしこ     (季節の花300)より       楢葉町に帰りたい 少女は遠い目をした でもシンクロを続けたい 澄んだ瞳がキョロキョロと揺れた   少女の名は優花 優花は透きとおった夏の花 なでしこのように親思い 小さな胸で希望と諦めが交錯する   避難してからもう何年たつだろう 魔物を詰めたタンク . . . 本文を読む
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ポエム104 『海からのムラサキケマン』

2015-09-14 00:00:02 | ポエム
       ムラサキケマン     (城跡ほっつき歩記)より      ニュルニュルと穴から顔を出すマテ貝のように 海藻とともに揺れるイソギンチャクのように ムラサキケマンが咲きはじめる   この地球には空と海と陸があるが 空から降ってきた生命のタネを 海が育て陸にもおすそ分けしてきた   海の恩恵をうけた魚や . . . 本文を読む
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ポエム103 『ちょっと待ってクレマチス』

2015-09-08 00:00:35 | ポエム
       クレマチス     (城跡ほっつき歩記)より     伊賀の里をクルマで通り過ぎたとき 後部座席でガヤガヤと人の声がする なんだろうと訝しんで振り返ると 忍者の格好をした若者が数人でお喋りしていた   なんだ君たちは勝手にクルマに乗り込んで・・・・ そのうえ忍者のくせにやたらと騒がしい 観光客相手の忍者ショーから抜け出し . . . 本文を読む
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ポエム102 『望郷のウマノアシガタ』

2015-09-03 00:02:24 | ポエム
       ウマノアシガタ     (城跡ほっつき歩記)より      パッカパッカパッカ 軍馬が教練場を走り抜ける フィルムに映し出される八十年前の風景 掠れゆく歴史に残された馬のいななき   アオよ いざ行かん 可愛いお前とどこまでも一緒だ 異国の河は飛沫を上げてさえぎるが 補給の使命は命に代えてでも遂げるのだ & . . . 本文を読む
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