スズランスイセン
(城跡ほっつき歩き)より
ある日きみから一通の手紙をもらった
東京の下町から近県に疎開して15年経っていた
ぼくの住所をどのように探り当てたのか
戦火を逃れて互いに町を離れていたのに
手紙を手にして最初に感じたのは
なつかしさというより戸惑いだっ . . . 本文を読む
イノシシ
(ウェブ画像)より
一度思い込んだら 梃子でも動かぬという顔だな
その意味では なかなか男らしいよ君は
今年も凄かったが 来年はもっと暴れるらしいね
まるで どこかの大統領みたいじゃないか
ぼくの前に道はない ぼくの前に道はできる
. . . 本文を読む
八重山サソリ
(ウェブ画像)より
いやあー オイラ死ぬかと思ったよ
だって 突然ゆうパックに詰め込まれ
ゆさゆさ揺られて 運ばれてきたんだ
あまり空気が吸えなくてさ
苦しいのなんのって
だいたい行先もわからず不安だったよ
着いた . . . 本文を読む
jirou
柿
(城跡ほっつき歩き)より
柿がなったよ 柿がなった
夕暮れの街灯のように あかあかと灯った
村の古老は目を細め これで今年も医者いらずじゃ
うちらの柿は次郎柿 ほかにも筆柿や富有柿
どんな柿でも お日様の下では平等だべ
陽光をいっぱい吸って 太陽にな . . . 本文を読む
キンカン
(城跡ほっつき歩き)より
なかなか信じてもらえないだろうが
田舎家の前で金環日食を見た気がする
それは目の錯覚だろうといわれれば
ちがうというほどの確信はない
だけど金環日食を見た印象はただ驚き
庭先に実ったキンカンもこれまた不思議
だって人知の上 . . . 本文を読む