どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム138 『永遠のフジバカマ』

2016-10-30 17:20:00 | ポエム
       フジバカマ     (城跡ほっつき歩記)より     藤色のトッパーをまとったキミコの姿は いまでも僕の胸腺を熱くする 風が冷たくなった夕暮れの道端で あなたはフジバカマのように微笑んでくれた   肩にまわした僕の手のひらに ふんわりと温もりを返してよこした貴い人よ 安物のコートを着ていたかもしれないが 月の出を待ちわ . . . 本文を読む
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ポエム137 『月と星は天の穴ぼこ』

2016-10-24 00:41:31 | ポエム
        星空      (ウェブ無料画像)より     夜空を眺めることが少なくなって ぼくの夢はまとまりがなくなった もともと夢なんてまとまりがないもの そういって揶揄するならすればいい   ある夜ぼくは吉行淳之介の本を読んだ 『月と星は天の穴』を探し当てたのだ 世界を動かすほどの力はないが 文章が醸し出す滋味の . . . 本文を読む
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ポエム136 『老女の家のアメリカ朝顔』

2016-10-17 00:58:46 | ポエム
       アメリカアサガオ     古い家から出てきた老女が 向かいの家のブロック塀に向かって いきなり落ち葉を撒き散らした   「だらしのないジジイだ」 塀越しに枝を伸べるハナミズキの葉が 道路に散らばるのを掃いているのだ   「一度だって掃いたことがないんだから」 老女はよほど腹に据えかねているらしい しかも塀ぎ . . . 本文を読む
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ポエム135 『やんちゃなホトトギス』

2016-10-11 06:47:41 | ポエム
       ホトトギス     (城跡ほっつき歩記)より     キミがやんちゃな理由を挙げてみると まずしょっぱなはその名前さ 芭蕉の句にも登場するホトトギスと一緒なのに 杜鵑草と書かなきゃ区別がつかないんだ   次にはキミの外見さ 花とは思えない異様な姿で いまにも掴みかからんばかりの肉にくしさ 鶏の足爪を連想するのも無理はな . . . 本文を読む
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ポエム134 『ポピーと女性事務員』

2016-10-01 00:30:43 | ポエム
       ポピー     (季節の花300)より     駅に通じる商店街の歩道を行くと ガラスの扉を開けて女性が出てくる 彼女の手には白いタオルが握られ おもむろにショーウインドウを拭き始める   ぼくが出勤する時刻とかさなるのか おなじ光景にときどきぶつかる 彼女は街の不動産会社の事務員で ちょっぴり背の高いベテラン社員なの . . . 本文を読む
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