義妹夫婦が帰ったあと、聡子は台所の片付けをしながら、ひとり思い出し笑いをしていた。「なんだ、どうしたんだ?」 骨董品を対象にああだこうだと鑑定する人気番組を見ていた正人が、ゲストのタレントに笑いの原因でもあるのかと問いかけの視線を投げかけた。「いや、そんなんじゃないの。千恵子ったらとんだおっちょこちょいなんだから・・・・」 終いまで言わずに、聡子はまた笑った。「一人だけ笑っているなんて、いやらし . . . 本文を読む
〇 「堂安のシュート」とかけて 「高安のカチアゲ」とときます
そのこころは 「どちらも悲劇→→歓喜」を呼び込むでしょう
〇 「森 友哉」とかけて 「イメージ一新」とときます
そのこころは 金は動くが「森友学園」ではないでしょう
〇 「山賊焼き」とかけて 「落語の師匠」とときます
そのこころは 「トリ(鶏)は定番」でしょう
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入鹿は、数日前からいらいらしていた。 頭の周りで、なにかチリチリとはじけるような波動が感じられるのだ。 (なんだろう?) 沖の方から追いかけてくる目に見えない不安が、全身の皮膚を粟立たせる。 親から受け継いだ精密な感覚が、音ともいえず唸りともいえない底鳴りを感知して未知の信号を送って来るのだ。「おまえ、何か変なものを感じないか」 入鹿は、近づいてきたサブに訊いた。「はい、ボスもですか」 入鹿の傍で . . . 本文を読む
〇 「冬の味覚おでん」とかけて 「歌舞伎役者」とときます
そのこころは「大根(役者)も味が染みると旨くなる」でしょう
〇 「冬場のコンビニ」とかけて 「サンド伊達と冨澤」とときます
そのこころは 「多くの人は肉まん(憎まん)」と思うでしょう
〇 関脇「豊昇龍」とかけて 「片岡球子の日本画」とときます
そのこころは 「どちらも面構え」がすごいでし . . . 本文を読む
マツ子は、自分の足の親指が人一倍大きいのではないかと悩んでいた。 意識するようになったのは、小学三年生になった春のあの日からだった。「あら、あなたの親指ずいぶん大きいのね」 新学年になって間もなく健康診断があり、身長計測器の台に乗った瞬間、担任の女性教師がじっとマツ子の足元を覗きこんで言ったのである。「・・・・」 普通、背伸びをしていないか踵の位置を確かめたりするものだが、先生はいきなり足の指に . . . 本文を読む
〇 防衛費 増やすぞ 負担は税金で(国債もイヤ、税金もイヤ=庶民の本音)
〇 ツイッター 大量首切り 自分切り(有能社員も退職希望でマスク氏大慌て)
〇 ポーランドに ミサイル着弾 さあ、どっち?(ロシアが狙った?ウクライナの迎撃ミス?)
〇 日本サッカー パスつながらず 楓(カナダ)色(カナダの国旗が揺れる)
〇 大相撲 自信の眼光 高安場所?(初日に若隆景を破り勢いが)
〇 さあ皆さ . . . 本文を読む
月の光が煌々と降り注いでいた。 川辺のススキが、風を受けて穂先を揺らしている。 夜半の土手は、人っ子一人通るはずもない。 その土手道を人影が横切った。 風に押されるように進む、前かがみの女の姿に見えた。 銀色の穂先は、なびく髪だったのだろうか。 光と闇のはざまで、人影が妖しく通り過ぎていった。 隼人は、胸苦しさを覚えて目を覚ました。 またも同じ夢を見たのか。 いや、わずかに違うようだ。 月光に照ら . . . 本文を読む
〇 「インフレ」も 「インフラ」も すべてあの男(西側のインフレ、ウクライナのインフラ破壊)
〇 イギリスに ボロ負けラグビー 形無し(肩ナシ)で(スクラム、キックで大差)
〇 久々に 石川(遼)優勝 了とする(3年ぶりもさらに上を目指す)
〇 正代は 強いの?弱いの? 正体(正代)不明(実力が測りづらい)
〇 マサカリが まさかの焼死 謎残し(失火前のドタンバタンほか)
〇 暗号資産 . . . 本文を読む
それは、紅葉の季節も終わり、富士山に初冠雪があった十一月半ばのことだった。「ねえ、ねえ、知ってる? あの志水さんが死んだんだってよ・・・・」 咲子のもとへ知世が大慌てで電話をかけてきたのだ。 志水というのは、この地方では評判の自然観察指導員で、咲子たち<山ガール>も何回か世話になっている人だった。「え、どうして?」「リフトに引っかけられて、高いところから落ちたらしいの」 詳しい状況は分からないが . . . 本文を読む
〇 朝っぱら ハンコを押して 昼飯は?(カレーにするかラーメンか)
〇 このトップ 話にならない 法務省(葉梨さん勘弁してよ)
〇 目立つこと やりたい 死刑じゃ物足りない(頭の中は大臣ランキング)
〇 死刑のハンコ あれ? デジタル化は 関係なし?(デジタル相天を仰ぐ)
〇 飯も食えないほど 悩む人 「俺じゃない」(上川前法相とは違うよ)
〇 この人を クビにできない 岸田さん(ボロを . . . 本文を読む
空の上の方でガラガラと音がする
どうやら神様がひっこしを始めたようだ
このところ無謀な人間が増えたから
住み慣れた場所が安全じゃないらしい
いま吉祥寺のバーバラにお告げがあったとか
バーバラってハモニカ横丁の占い師?
神様も今どきの通信技術は信用してないらしい
それでお告げを利用したのか
神様は空に見切りをつけたのか
さらに上へ行っても何かの監視の . . . 本文を読む
雅恵は台所の壁に何か黒っぽいものが張り付いているのに気がついた。 (こんなところに、紅葉の葉っぱ?・・・・) チリチリに乾いた公園の落葉が、風に飛ばされて舞い込んできたのだろうと顔を近づけた。 とたんに紅葉の葉がツツーと上部に動いた。 見る角度が変わって、白壁にしがみつく何本もの足が見えた。「ヒエーっ」 仰け反って、かろうじて椅子の背に手を突いた。 乾ききって縮れた紅葉の葉ではなく、足の長い蜘蛛 . . . 本文を読む
〇 「山際前経済再生相」とかけて 「ヘビの尻尾」とときます
そのこころは 切れたと見えて「新型コロナ対策本部長に再生」するでしょう
〇 「北朝鮮ミサイル乱発」とかけて 「まちがい探し」とときます
そのこころは 「言語道断ではなく今後も弾道」でしょう
〇 [お・も・て・・な・し」とかけて 「巧妙なわいろ」とときます
そのこころは 「表がなくて裏ば . . . 本文を読む
野風没後一年を経た頃、木戸野風全句集を出そうかとの声が同人の間から起こりました。 『石心』主宰の私としてはもとより賛成で、亡くなった主人の魂魄を慰めるためにも、いずれは取りかかるつもりでおりましたが、ちょうど三年忌の記念事業として本腰を入れてやることにしました。 追悼号発行の際、それなりに手をかけた年譜を作成し、ホトトギス時代、『石心』時代の活躍を、それぞれ高名な俳人に偲んでもらってはおりました . . . 本文を読む
私を誹謗する一通の手紙が届けられたのは、庭の連翹がひときわ輝いた春の一日でした。 女子事務員が渡してくれた依頼の原稿や寄贈雑誌などの郵便物の中に、その稚拙な上書きの封書が混じっておりました。 どうせ名もない結社の案内だろうと無造作に封を切ってみますと、市販の便箋の第一行に「木戸野風の子供より」と題して、奇想天外なことが書いてありました。 細かな字で六枚にもわたりびっしりと書き連ねた内容は、要約す . . . 本文を読む