『春の浅間と新生中軽井沢駅』
うららかな天気がつづいて、辛夷やらミモザやらが咲きだしたので、これならもう北軽井沢行きも大丈夫だろうと先週の土曜日から一泊でドライブに出かけた。
案の定昼間は汗ばむほどで、水道を開けたり小屋開きの作業もはかどった。
冬じゅう菰に巻かれていた太郎冠者も、やっと陽の目を見て春が来たのを悟ったことだろう。
そうはいっても、畑の隅や樹 . . . 本文を読む
虹の似合う町「草津」
延々と坂を登って草津町に近づくと、道の駅を間近にした頂上あたりで突然クルマの下からタイヤの軋むような音が聴こえてくる。
追い越し禁止の黄色いラインを踏み越えたのかな? とびっくりした途端に、聞きなれたメロディーとなって腹のあたりに響いてきた。
もちろん耳でもそれと分かる。強いて言えば、体全体がその音に反応している感じだった。
「草津よいとこ、一度はおいで . . . 本文を読む
少年は夏にかがやく
草津の共同浴場は、思わぬ宝に出会うチャンスを与えてくれた。
7月の連休ど真ん中の夕方、例によって<巽の湯>に立ち寄ったのだが、その際頬をぽっと染めた小学四年生ぐらいの少年が混み合う脱衣場の端に立っていた。
もう着替えも終わって、帰ろうとしているところらしい。
都会の子供には見られない素朴な顔つきに、おもわず懐かしさを覚えて声をかけてしまった。
「温泉、熱 . . . 本文を読む
ベルツの森を垣間見て
六合からの道を登りきったところが草津との境界だ。
視界が急に開けたところで、白根の山々を望むことができる。
実は前日北軽井沢へ来たときは、季節はずれの雪に見舞われた。浅間は一日で雪の厚化粧を施された。
白根もまた谷筋の雪がはっきりと見える。北アルプスほどの威圧感はないが、標高の高い草津から見ても頼りになる兄貴のような存在だ。
山のふもとの赤い建物 . . . 本文を読む
泳ぐ泳ぐ!
湯ノ平温泉を過ぎると、ほどなく道は分岐点に差し掛かる。
右へ下れば平家の落人伝説がある六合村の最奥、世立(ヨダテ)を掠めて野反湖方面への長い上り坂となる。
今回は左に道をとって草津温泉に向かうことにした。
登り掛けの集落でまたも鯉のぼりに出会ったが、今度はあまりの数に圧倒された。
この小さな集落のどこに、百にも及ぶ鯉のぼりが用意されていたのか。
各戸が拠出 . . . 本文を読む
端午の節句にサクラ満開
かつて弘前公園で見たサクラは、桜花の耀きが違っていた。
関東のソメイヨシノとは種類が異なるのか、白色の艶が匂うようだった。
色は光の表情だから、清らかでみずみずしい古木の佇まいは、城山を包む空気と歴史の反映かと思われた。
白砂川の橋を渡ってすぐの集落に見つけたサクラは、群集に誉めそやされることはなくても誇らしげに咲いていた。
この家の繁栄を祝福し、代 . . . 本文を読む
六合村が美しいわけ
四月最後の日曜日に重伝建にも指定されている六合村赤岩地区を通り過ぎた。
いつもの春のように、足元にはポピーや水仙、シバザクラ、目の高さに海棠、山吹、れんぎょう、レンゲツツジ、木々の奥には咲きかけの辛夷と山桜。
自然環境に恵まれたいい村だと思っていた。
だが、この日通りかかって、休日の午前中から村人が総出で道沿いの整備に精を出しているのに出食わした。
あ . . . 本文を読む
村人の入浴時間に
二ヶ月ぶりに北軽井沢へ行った。
今年の冬は寒さが厳しかったようで、永住している人の話では零下18度ぐらいまで下がったらしい。
外のテーブルに置きっぱなしにしていた分厚いガラスの花瓶が割れて落ちていたから、もし完全な水抜きをしなかったら水道管も便器も湯沸かし器もすべて同様の被害をこうむっていたに違いない。
ともあれ無事を確認して、楽しみにしていた応徳温泉に直 . . . 本文を読む