どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム204 『哀愁のムラサキツユクサ』

2018-07-28 00:43:00 | ポエム
       ムラサキツユクサ     (城跡ほっつき歩記)より           寝台列車でゴトゴトと   北を目指してひた走る   ときおり止まる駅の名は   車窓に映る夢の中     眠れぬままに目を閉じる   上段からはうめき声   見知らぬ男の人生は   いまの俺にはうっとうしい   . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(211) 『隠れていた大物キュウリ』

2018-07-21 00:01:24 | エッセイ
    眼科の視力検査では、両目とも1.5ぐらい見えていますよと言われた。   検査中、目がかすむものだから、「いやあ、視力が落ちたみたい」とぼやく僕を黙らせる意図だったのだろうか。   ところが今朝のこと、我が目を疑う出来事が起こった。   でっかいキュウリが2本、密生する葉に隠れるようにして吊り下がっていたのである。           視力とは関 . . . 本文を読む
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ポエム203 『秋一閃 さんま降る午後』

2018-07-17 03:53:00 | ポエム
       サンマ     (朝市の秋刀魚=ぱくたそ無料画像)より           夏の空は 波乱をかかえて膨らんでいく   グレーの雲が 太陽を食いきれずに綻びる   仮面越しに見る 溶鉱炉の滾りが   老いを忘れた男に おいでおいでをする     集中豪雨の爪痕が 癒えぬまま乾いていく   見る者の辛さ . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(210) 『一石二鳥のカラス対策』

2018-07-12 01:17:25 | エッセイ
       やっと赤くなったトマト    キュウリは花が咲いてから一週間もすると、みるみる大きくなって市販のきゅうりの1.5倍にも成長してしまった。  多分、種類が違うのだろうが、朝どれをあまり皮も剥かずに塩を振って口にすると、特有の香気が鼻腔にまで広がった。  一方、トマトは花が終わって実をつけたのに、大きくなるまで時間がかかるし、そのあともなかなか赤くならなかっ . . . 本文を読む
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ポエム202 『シュウメイギクという暗号文』

2018-07-06 01:30:22 | ポエム
       シュウメイギク     (城跡ほっつき歩記)より         いつからシュウメイギクという単語が気になりだしたのだろう   国際スパイ組織の男がぼくの耳に吹き込んだ暗号だったとすれば   たぶんチューリッヒの空港ロビーで近づいてきた早口の旅行者だ   何が目的でぼくのような東洋の青年に寄ってきたのかわからないが   夏に . . . 本文を読む
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