どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム39 『馬鈴薯の花』

2014-02-22 13:38:49 | ポエム
        じゃがいもの花       (城跡ほっつき歩記)より     わしはなあ ケーリンが好きなんや ニッカボッカを穿いた老人が 右左を見回しながら訴える わかった わかった 両側から老人の腕を取る刑事が 宥めるように言う だけどなあオッチャン 他人様の車券代を騙し取っちゃあ 好きとか嫌いとかの話じゃないよ 宇宙人のように宙吊りにされた . . . 本文を読む
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ポエム38 『もしもしカンパニュラ』

2014-02-15 01:58:23 | ポエム
        カンパニュラ(釣鐘草)       (城跡ほっつき歩記)より     もしもし カンパニュラさん あなたはどこからやって来たの 茉莉はねえ きっとピンクのお星様から ふわふわと飛んできたんじゃないかと思っているの   おーい そこのお嬢ちゃん あんまり ぼくの耳元で叫ばないで 耳の奥が かゆくてかゆくて ぶるぶると身 . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(173) 『劇画 J・F・ケネディ』 旭丘光志の名作劇画いま再び

2014-02-09 02:35:57 | 書評
       『劇画 J・F・ケネディ』(栄光と悲劇) 旭丘光志の名作劇画いま再び            <不死鳥のように蘇えるケネディの魂>                われわれは43歳の若さで第35代アメリカ合衆国大統領に就任したJ・Fケネディについて、どれほどのことを知っているだろうか。  自分を例に挙げれば、主に三つの出 . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)100 『定食屋の女』 2

2014-02-02 04:08:39 | 短編小説
   漆畑は、朝からそわそわしていた。  多歌子が出勤する前に、入口の自動ドアの具合を確かめたり、靴拭きマットの位置を直したり落ち着かなかった。  表に出てみると、太陽は東から南に回ろうとしていた。  御代田の街も、上信越道が走るあたりも、光のさざ波に覆われていた。  近頃はますます家並が増えて浅間の裾野を遮っていたが、追分から道の駅「雷電」にかけて続く樹林の帯が、そこから上の . . . 本文を読む
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