巨大ナマズ
びっくりしたなあ、もう
ズシンと椅子の下から突き上げられて
思わず中腰に・・・・
間を置かずに緊急地震速報が鳴り
ドアを開けに走ろうか
それとも机の下にもぐろうか
おっさん真昼間から右往左往
ああ、またナマズが暴れやがった
牛久沼や霞ヶ浦の奴らが
いっせいに騒いだのか
東日本大地震以来ビリビ . . . 本文を読む
キツネアザミ
(城跡ほっつき歩記)より
下にー 下にー
花ざかりの田舎道を大名行列がとおる
毛槍をもった奴(やっこ)さんを先頭に
春の日なかをぞろぞろと進んでいく
白昼夢のような「奴のねり」に
野ネズミもイタチも道端に出てきて
ポカーンと見送る
通り過ぎた行列の幻に思わず目をこする
蝶さん . . . 本文を読む
ギボウシ
(城跡ほっつき歩記)より
森の奥の小屋をたずねると
迎えてくれたのは擬宝珠だった
玄関横のスペースを持ち場と決め
ドレスをまとった乙女の姿で
いらっしゃいませと腰を折ってくれたのだ
口元から覗く白い歯並びが
朝のひかりを受けてキラリと輝く
なんという爽やかな始まりだろう
ぼくが滞在する三日間だ . . . 本文を読む
姫辛夷
(城跡ほっつき歩記)より
姫は少々ひねくれ者
空がこんなに青いというのに
それに見合った花びらではなく
世をすねたくしゃくしゃ花弁を生み出すのだ
空が青いということは
地球が平和ということだ
人と人との対話がはずみ
ともに楽しく生きようということなんだ
&n . . . 本文を読む