〇 牽制球が 足に当たって 痛い顔
〇 そんな翔平 見たことなかった 心配だ
〇 監督が 復調予言 ほっとした
〇 翔平が 10試合ぶり 14号
〇 トップまで 2本差 いずれ追いつくさ
〇 とはいうが 守りの姿勢が 垣間見え
〇 水原に 受けた裏切り トラウマに
〇 新住 . . . 本文を読む
現在はにかほ市になった秋田県の象潟町で重吉は炭焼きを生業にしている。
東京の大学を卒業したあと実家の山を預けられ、ナラ〈楢〉やクヌギ〈橡〉の木を切り倒しては木炭づくりを目指した。
ところが重吉は炭窯に火を入れた後持ち込んだ哲学書を読みふけるものだから、火を止めるタイミングを失い出来上がった木炭はほとんど灰に近い状態になってしまった。
「重吉さんなばダメなもんだ。炭つくってんだか灰つくってんだ . . . 本文を読む
〇 「どうだ、やっぱり大の里が優勝したろう?」「ご隠居の言う通りでしたね。しかし、中日のあと2敗したんでハラハラしましたよ」
〇 「負けを肥やしにしてどんどん強くなったよ」「最後の3日間は自信に満ちた顔をしてましたね」
〇 「大の里はあと何場所かで大関になる、横綱も遠くないだろう」「そう簡単にいきますかね、人生何が起こるかわかりませんよ」
〇 . . . 本文を読む
市ヶ谷駅は僕がよく利用した駅である。
夏の深夜、大急ぎで改札口に降りていくと頭上から人のすすり泣く声が降ってきた。
声の主はたぶん女性だろうと気になったが、こちらも電車に乗り遅れる心配があったので確かめることなくホームへ走った。
何日か経って市ヶ谷駅のすすり泣きのことが週刊誌に載っているのを中吊り広告で知った。
早速買って読んでみると、僕が体験したよりも大分前から噂になっていたらしい。
. . . 本文を読む
天 ・ 点
天を仰ぐ 暑い
直視できない点 黒点
子供の絵なら 簡単
ゴマのような 黒点
太陽フレアまで クレヨン
カナダで オーロラ
電離層 パニック
気象衛星 多数墜落
・ 点 天
天を仰ぐ 熱い
直視できない 黒点
気象も 天文学も
天に始まり 点に終わる
人生は 天の思し召し
&n . . . 本文を読む
〇 社長が一瞬目をかけた アーソレソレ 早くあと継がせろと焦る娘婿 ソレカラドーシタ 魂胆読まれると匿名人間を雇って深い闇深い闇
〇 政党交付金の使い道報告下限はいくら アーソレソレ 与党の協議はいくらやっても折り合わず ソレカラドーシタ 自民は10万以下に切り下げず国民無視国民無視
〇 クマがやたと人を襲う アーソレソレ 暖冬 . . . 本文を読む
巣鴨プリズンが解体されたとき、ある独房の壁の中から奇妙な塊が転がり出てきた。 公には報道されなかったが、それは高温の熱によって溶かされたコンクリートが、冷えて固まった状態に見えた。 普通、ブルドーザーで破砕された壁は、捻じ曲がった鉄筋を除けば、セメントと砂、砂利による組成が一目瞭然だった。 それに対し、発見された塊は内部でガラス質の粒子が滾り、流れ出たような形跡が見られた。 飴を塗りつけたような . . . 本文を読む
『東海道中膝栗毛』〈とうかいどうちゅうひざくりげ〉は1802年~1814年にかけて初刷りされた滑稽本である。
「膝栗毛」とは、自分の膝を馬の代わりに使う徒歩旅行の意で人気作品となり刊行は『東海道中膝栗毛』と『続膝栗毛』あわせて20篇に及んだ。
後世に読みつがれ、主人公の弥次郎兵衛と喜多八コンビのキャラは歌舞伎や映画等で現在でも活躍が続いている。
文才とともに絵心のあった作者に . . . 本文を読む
那須野が原には「九尾の狐」が住んでいるといわれている。
最近、那須野が原を舞台にいやな事件が勃発しているが、ご当地の九尾の狐がどう思っているか世間の口端も喧しい。
「ぼくは九尾の狐はワルだから冷ややかな顔で見ていたんだと思う」
「いや、わたしは九尾の狐は憤慨していると思います。もともと伝説では神獣といわれて王朝を支えてきたのだから今回の事件はイメージダウンになると怒っているはずです」
「読 . . . 本文を読む
〇 「大谷翔平が11号ホームランで両リーグトップに立ったな」「3連発の後このまま突っ走る可能性がありますね」
〇 「護衛艦『いずも』をドローン撮影した奴はドロンしちゃったのか」「中国のSNSに投稿されたということですが誰かはわかりませんね」
〇 「政治資金規正法はどうなった?」「連座制は決まりみたいですが問題は使い道ですよね」
〇 「何に使った . . . 本文を読む
今回は短編小説のカテゴリーに入ってはいるが、実質「八犬伝」の勉強会みたいなものなのでご承知おき願いたい。
明治時代の中頃までは物語といえば『南総里見八犬伝』が最もよく読まれていた。
江戸時代後期に曲亭馬琴によって書かれて以来いろいろな形で読み継がれてきた大長編物語である。
貸本による普及が第一だが、歌舞伎の演目にも取り入れられ庶民の間で人気が沸騰した。
馬琴はこの物語を48歳から76歳まで . . . 本文を読む
人は 花を追い
花に慰められて 生きている
蜂や 鳥は
蜜という獲物を 求めるが
人は 花を眺め
花を称えて 生きている
よきかな人生 花は心の友
節目節目に 花をささげ
花を手向けられて 終わる
よきかな人生 花と連れ添う日々
よきかな人生 花は包容力
花に抱かれて とわに生きる
. . . 本文を読む
その昔、甲州の造り酒屋『七賢』を訪れたことがある。
清春白樺美術館を見たついでに白州町まで歩いて行ったのだ。
途中、竹林があったような気だするが感覚的な記憶だから間違いかもしれない。
坂を下ってまた登って道が二手に分かれていた一方を進むと喫茶店があり土産物店もあった。
喫茶店で食べた酒かす入りカステラがすごくおいしかったので聞くと七賢の酒蔵を紹介された。
そこには日本酒『七賢』の唎酒コー . . . 本文を読む
紀貫之が編纂した古今和歌集には世間的に評判の高い6名の歌人の作品が収録されている。
序文に当たる「仮名序」には六歌仙の呼び名はないが、誰いうともなく六歌仙の呼称が定着したようだ。
古今和歌集に収録された6名の歌人は次の通り。
1 僧正遍照
2 在原業平
3 文屋康秀
4 喜撰法師
5 小野小町
6 大友黒主
このうち文屋康秀について紀貫之が仮名序に . . . 本文を読む