どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(169) 『アイソン彗星崩壊』の暗示するもの

2013-11-30 00:58:20 | コラム
       『アイソン彗星崩壊』の暗示するもの            NASAなどの太陽観測衛星がとらえたアイソン彗星(中央下から左上に向かってのびる線)。    中央部の太陽に近づくにつれてぼやけている(NASA提供)      まさかまさかの展開だった。  「世紀の彗星」になると注目を集めたアイソン彗星が、2013年11月 . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)96 『やもめの大往生』

2013-11-24 05:57:33 | 短編小説
   私鉄駅から徒歩数分の場所にある老朽アパートのオーナーがとうとう亡くなった。  太平洋戦争では予科練に憧れていたが、15歳に達していなかったのでやむなく断念したという愛国少年だった。  二年遅れて海軍に入隊し、南方戦線で補給任務にあたっていたものの、アメリカ軍の爆撃を受けバシー海峡に六昼夜漂ったという戦歴を刻んでいる。  九死に一生を得て帰還してからは、親の残した土地に木造の . . . 本文を読む
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ポエム33 『綿花とゴスペル』

2013-11-16 02:36:53 | ポエム
        綿花       (城跡ほっつき歩記)より     ほんとうに おまえは綿なのか ルイジアナ州の炎天下で 多くの奴隷を苦しめたコットンボール 摘んでも摘んでも 終わりのない 綿花の元が おまえなのか   白から黄色へ 一日かぎりの綿の花 まるで奴隷が見る 短い夢のよう おまえの美しさは 苦しみとの引き換え 来る日も . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)95 『ゆきちゃん』

2013-11-10 05:23:59 | 短編小説
   その夜、スナック『ゆきちゃん』は店内いっぱいの客で混み合っていた。   長さ一間ぐらいのカウンターには肘がぶつかるほどの間隔で男たちが並んでいたし、背後のテーブル席二つにもぼくら四人の客が陣取っていた。  普段はママと向かい合って総勢五人並べば盛況といえる空間に、休日の夜八時だというのに男が九人ひしめいていたのである。 「ママ、いつものやつ・・・・」  常連風を吹かす客が . . . 本文を読む
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ポエム32 『フウチョウソウの秘説』

2013-11-01 02:16:28 | ポエム
         西洋風蝶草       (城跡ほっつき歩記)より     ニューギニアの森で求愛ダンスを踊るフウチョウは 艶やかな尾羽を広げてメスを誘った どうだい ぼくほど美しいオスはいないだろう? この世は楽しいところなんだ 束の間の命だけど二人で存分に愛し合おうよ   飾り羽根をもらった雄鳥はやがて気付く 一生雌鳥の . . . 本文を読む
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