どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(120) 『ぼくの「ゆく年くる年」』

2010-12-29 12:18:16 | コラム
    吉村くんの出来事      テストコースの青春     超短編シリーズ第一集      (ぼくの「ゆく年くる年」)  当ブログ『どうぶつ番外物語』も、早いものでこの12月で丸5年が過ぎました。  その間、長きにわたり閲覧いただいた方々に、心からの御礼を申し上げる次第です。  これまで先へ進むことばかり考えておりましたが、年末に当たりせめて一年間の振り返りをするのも悪く . . . 本文を読む
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むかしの詩集とフォト日記(11) 「板橋四丁目」

2010-12-27 00:04:00 | ポエム
            ガスタンク                                                   (画像は借用)      「板橋四丁目」   ガスタンクがある   その横に月が昇る   電車が暗い窓に人を詰めて走り去る   土手の上に屋根が見える   家々に灯がともっている   うっすらと空が赤い   暗い中にぬっと立っている . . . 本文を読む
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むかしの詩集とフォト日記(10) 「黄金バット」

2010-12-22 00:26:33 | ポエム
    ゴールデンバット(昭和年代)  ゴールデンバット(現在)        「黄金バット」   ピースを喫う俺たちの目は   消えかかった火の色をしている   ゴールデンバットが好きな父は   燃えさかる焚火の目をしていた   古い日記によると   父は大菩薩峠の野猿を訪ね   その倫理観を訊いた   ボス猿は<情熱>と答えた   調査票には抗争が列記して . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)43 『窓貸します』

2010-12-18 01:54:30 | 短編小説
     (窓貸します)  ぼくが小学校からの帰りに回り道すると、坂の途中にある写真館の窓から老人が外を見ていた。 隣りには空き地を隔てて蔦の絡んだ洋館があり、もう二十年以上も空き家になっているとの話だった。 ぼくは白金台にある小学校の二年生で、毎朝母の運転する車で送ってもらっていた。 別に親が過保護にしているのではなく、母ひとり子ひとりの家庭では、その段取りが一番生活ペースに合っていたからだ。 . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(119) 『ふくろうの叫び』と市川海老蔵事件

2010-12-14 01:39:17 | 書評
           (『ふくろうの叫び』(パトリシア・ハイスミス著=河出文庫)と市川海老蔵事件)  これまで二週間にわたる海老蔵負傷事件のマスコミ報道を見ていて、大方の人は居心地の悪さを感じていたのではあるまいか。    重傷を負って入院しているあいだに、加害者側と目される関係者からさまざまな情報がリークされ、それがマスメディアを通じてこれでもかというほど流されたのである。  姿 . . . 本文を読む
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むかしの詩集とフォト日記(9) 「のぞきからくり考」

2010-12-12 00:13:19 | ポエム
       大道芸        「のぞきからくり考」   さあさあ皆さん見てらっしゃい   オランダ渡来ののぞきからくりだよ   大人も子供も一度見たら絶対に忘れられない   だーれも行ったことのない世界が   たったの三文で見られるんだ   さあさあ人間迷いは禁物   迷っていたら成仏できないとお釈迦さまも言っている   善男善女に見せるため   遠い国からはる . . . 本文を読む
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むかしの詩集とフォト日記(8) 「蛙」

2010-12-08 02:07:57 | ポエム
       池        「蛙」   カエルの怪物を発見!   <長野県の山奥で・・・・>小学生が通報   十一月二十日午後三時頃、南安曇郡奈川渡の小学三年生M君は、   近くの池で魚釣り中体長一メートルに及ぶ巨大なカエルを目撃し   た。報告を受けた長野県警では、地元大学の協力を得て合同捜索   隊を派遣することを決め、M君から精しい状況を聴いている。   . . . 本文を読む
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むかしの詩集とフォト日記(7) 「自然役者」

2010-12-04 00:00:01 | ポエム
       幻想舞台      「自然役者」   雑木の林   茫々たる枯草の窪地に   立木を柱にせし萱葺き小屋あり   草の丈ほどに古板渡され舞台の如し   八方囲ひなく   楢および椚の枝など透けて見ゆ   かつて舞ひしことありや   鼓の音など響かせし時ありや   廃れし趣にはあらず   無造作なり   舞台の前にて草刈る百姓四人ほど   ひたすら . . . 本文を読む
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