ポエム45 『裸形の森』

  　　　　     とうとう　こんな季節になってしまった こつこつと生きてきて　行き着いた秋 天空をめざす望みを捨てたわけではないが 散り敷いた落葉を俯瞰すると　 安堵と迷いが折り重なっている   この森に生を受け　遠方へ出かけることもなく ひたすら天辺をめざした日々なのだが 星霜は　地上の煩悶を見下ろすのみ それでもいいさ　天空 . . . 本文を読む

ポエム44 『虫取り撫子さんへ』

  　　　　　　ムシトリナデシコ 　　　　　　（城跡ほっつき歩記）より     可憐な花よ　御身のあだ名はムシトリ姫 心なしか化粧を濃くし　世をあざむく意図ありや 痩せし地に根をおろし　生き継ぐことに専念する身なれば 食虫植物の名を　甘んじて拝すべし   虫取り撫子よ　御身の持ち味は万能センサー 研ぎ澄まされし神経で　世の災いを感知せよ . . . 本文を読む

ポエム43 『アースの明日』

   　　　　　　地球  　 　　　　　　（ウィキペディア）より     コスモスさん　何十億年も地球を見守ってくれてありがとう ところで　今朝のアースくんは元気ですか 軍隊アリのように一列になって 耳元を通り過ぎていく足音が聴こえるのですが コスモスさんの目には　何か見えますか   ああ　大陸を蛇行する大 . . . 本文を読む

ポエム42 『浅間に雪が降る頃は』

  　　　　　　浅間山     「やった　でかした　母さんよ」 浅間の山に　手を合わせ 祈った甲斐があったよと 旧家の父が　ニコニコと 産婆ともども褒めそやす 満州事変だ　盧溝橋 ＡＢＣＤ包囲網 破って　資源の確保だと 世は　「大東亜」一色で 赤紫に染まる頃 チンポコ確かめ　有頂天 「大きくなったら何になる？」 迷わず答えた　幼子の . . . 本文を読む

どうぶつ・ティータイム（１７６） 『野川の桜と蕎麦屋さん』

  　　　　　（野川の桜と蕎麦屋さん）      　　　　野川   　やっと咲いたソメイヨシノだったが、大風が吹いたり雨が降ったりで、存分にサクラ見物ができたのは先週末からの２～３日間だけ。 　花見でワイワイ繰り出す年齡でもなく、それでも一応見ておかないと心残りのような気がして３月２８日に近くの野川に出かけてみた。 　サクラは満開な . . . 本文を読む