どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(203) 『ガルシア・マルケス作「落葉」の喚起力』

2017-06-02 00:12:24 | 書評
   ガルシア・マルケスの処女作「落葉」(高見英一訳)は、これまでに味わったことのない深層からノックされるような感覚に満ちています。  ぼくの読後感から言えば、まるで船酔いのまま明け方を迎えた大島航路の三等船室風景のように、疲労と倦怠と安堵のなかで船底から突き上げるエンジン音を聞きながら横たわっているような気分です。    まず、序章から一部を引用して、船酔いを喚び起こ . . . 本文を読む
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