さて筋金が入っているんだか、軟弱なんだか微妙な荷風さん、スケベのほうではかなり有名である。体に愛人の名前「こう命」なんてタトゥーを入れたりするくせに、気の変るのは滅法早い。
卯年に当たるものは浮気にて飽き易き性なりといへり。さるが故にや半年と
長つヾきした女はなし。大抵は三月目位にて、庭の花にはあらねど時候の
変目が色のかはり目とはなるなりけり。
(生まれた年のせいにするってのがセコイね)
というわけで、惚れやすく飽きやすい荷風は、季節の変わり目と同じように、次々と女を変えていったわけである。「彼女いない歴」どころではない、次から次へと間をおかずに、いや重なったりしながら女遍歴は続くのであった。
当時めずらしかった洋行帰りのお金持ちで、人気作家ともなればモテるのも当然か。
しかしぢゃw(゚益゚)w
やつは風俗大王である。近寄る女は、すべてその道の女なのである。有名な日記には、風俗レポートが詳細に描かれている。(ここから上品な方は読むのを考えてください。もちろん18禁)
京橋河岸通のとある露地にバラツクのカッフヱーあり。女給外に
出て通行の人をとらへ寄り添ひて私語する様甚いぶかしければ、
入りて見るに(客引きがいぶかしくて、入るかよw)、女四五人
あり。参円にて淫を売るといふ。五円出せば二階の一室に案内
して女二三人裸体になり客の望むがまゝにいかなることもすると
云ふ。(二三人望むがまま・・・(=゚益゚):;*.’:;ハナヂ)
祝儀四五円与る時は女給テーブルの下にもくり込み、男の物を
口に入れて気をやらせる由・・・ w(゚益゚)w
こういうところの専門家は、いくら女性関係が多くても「もてる」とは言わない気もする・・・。しかし次のくだりにはブッ飛んだ。「僕は若い時から一種の潔癖があつて、人の前で酔払はない事。処女を犯さない事。素人の女に関係しない事。此の三箇条を規則にしてゐる。」素人の女には関係しないというのが「潔癖」というのもたいしたタマゲタ。たしかにそういう意味でうぶな女を泣かせることはなかったのかも。