さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

ケルトの森

2011年01月13日 | 英国


ティンターン寺院をあとにし、
ワイ川のほとりを散策しました。ワーズワースはこのような自然のなかで
あの有名な詩を書いたのでしょうか。





小さな石造りの教会がありました。そこにはケルトの十字架がありました。

紀元前、中央アジアの草原からヨーロッパに渡ってきた民族がケルト人です。広くヨーロッパ全域に広がりましたが、その後ローマ帝国の支配によってケルト文化は影が薄くなりました。キリスト教がヨーロッパを覆い始めたのです。

ブリテン島では、紀元前に住んでいたケルト人が、紀元前1世紀頃からローマ帝国によって支配され、その帝国が衰退して引き上げた5世紀頃からアングロサクソン人が大陸から侵入してきました。現在の英国人の主流です。

しかし西のはずれにあるウェールズ、北のはずれのスコットランド、そして西に離れたアイルランド島などは、ローマやアングロサクソンの支配が及ばず、ケルト文化が残ってゆきました。というわけで、いまだにこちらの地方では、わずかながらもケルトの言葉や宗教は残っているのです。


画像をクリックしてご覧下さい(^益^)b

ちなみに中村俊輔が所属していたスコットランドのフットボール・チームは「セルティック」。「ケルト族」という意味です。同じくスコットランドの首都グラスゴーを本拠にするライバルチームは「レンジャース」といいます。この2強だけが常に優勝争いをしています。しかしこれはフットボールだけの問題ではない。

セルティックは、ケルト人とカトリックを代表し、レンジャースはアングロサクソン人と英国国教会(プロテスタント)を代表しているのです。千数百年前の土着の文化と、いま主流である文化の闘いでもあるのです。

「トレイン・スポッティング」という映画を御覧になったことがあるでしょうか。エディンバラを舞台にした、犯罪と麻薬にそまった社会の底辺にうごめく若者たちの話です。その中で主人公が「このスコットランドという国は、ずっとイングランドに支配され続けているどうしようもないクソッタレだ」と喚きます。このように、スコットランドでは独立国家として英国連合王国を離脱したい願望がうごめいています。グラスゴー・ダービー(セルティックvsレンジャース)の白熱する一戦は、この問題もからめた代理戦争でもあるのです。

日本のJリーグも、それぞれの地元が元気になると面白い。わたしは「沖縄かりゆしFC」を応援していたのに、財政が破綻したあとは勢いがありませんね。本土派と土着独立派が分かれて戦えばなおいい。「沖縄vs琉球」。沖縄チームには本土の人間と米国人が入ればいいでしょう。琉球チームは当然はえぬきだけ!北海道も「コンサドーレ札幌」に加えて、「アイヌFC」なんて出てくれば応援するのに。ダービー・マッチが面白くなるぞ。


ケルトの宗教は「ドルイド教」と呼ばれ、自然崇拝の多神教です。それが渡来したキリスト教に融合してゆきました。なのでケルト十字は、このようにめずらしい形の十字架です。

ティンターン寺院の廃墟で

2011年01月12日 | 英国


 イングランドの西、ウェールズとの境にワイ川があります。上流には以前紹介した小さな街、古本の聖地ヘイオンワイがありますが、今回はそのずっと下流にある廃墟となった教会、ティンターン寺院を紹介します。

 ここは19世紀英国のロマン派詩人、ウィリアム・ワーズワースが詠ったことで大変有名な場所になってしまいました。といっても、タイトルは「ティンターン寺院から数マイル上流にて詠んだ詩」というわけで、実際は廃墟となった寺院は登場せず、そこから離れた川辺の風景を眺めて作った詩です。でも車で旅行をしたので、せっかくだからだあれもいない寺院の廃墟を訪ねてみました。



 この寺院は1131年に建てられ、1536年には廃墟となりました。ワーズワースが詩を書いたのは1798年です。というわけで、私が見た廃墟は、きっと300年以上前にワーズワースが見た(かな?)姿とあまり変らなかったでしょう。人が住まなくなって260年後と470年後では違うかな?
 
         


 広角レンズなどという高級なものがなく、ただのコンパクトカメラでしたので、頑張って二枚連写したものをつなげた画像です(^益^;







 おそらく詩人はひとり美しい自然のなかを彷徨っていたのでしょう。人里離れた深い静寂のなかで、かすかなワイ川のせせらぎを聞きながら、ワーズワースは心が清らかに洗われてゆくのを感じます。

 独り部屋の寂しさや都会の喧騒を忘れ、世の中のわずらわしさから抜け出ると、自分が大自然のなかで肉体を離れ、魂だけで生きているような心地になってきます。すると感覚が冴えわたり、万物の生命のなかに調和の力、深い喜びの力を感じます。

高められた思いの歓びで心を動かす「存在」を私は感じた。
何かはるか深く浸透する崇高なる感覚だ。
その住処は落日の光であり、円い大海原、
青い空、そして人間の心の中だ。
すべて考える者、さらにすべての考えの対象を駆り立て、
万物のなかを流れゆく運動と霊なのだ。

  自然のなかにひとりでいると、自分が、自分の悩みなどが何てちっぽけなものだろう、と思えてきます。そして大自然が生命に満ち溢れ、その背後にはかり知れない大きな力があることを体感します。すると自分もその大きな「運動」、「霊」の一部であることを感じます。いや、「感じる」というのではまだ「自分」がある。自我を取り払った万物との一体感。これこそ、このロマン派詩人が詠いたかったことなのでしょう。


スタウアヘッド庭園

2011年01月11日 | 英国


ソールズベリー平原の西のはずれに、18世紀英国式庭園の代表ともいえる「スタウアヘッド庭園」があります。風景を重視した広大な庭です。

当時の趣味は、日本の「風流」というものに近いものがあったようですね。





モーモーちゃんも沢山おります。。。



とにかく広い(゜゜)w 当時の貴族のとんでもない豊かさが想像されますねェ。



突然ギリシャ様式の建物(ただの景観のため?)があったり、休憩するための洞窟があったりします。





こんな大きな庭園、観光地というわけでもなし、趣味でなければ訪れる人もあまりいないでしょうね(^益^;


車はイングランドを西へ

2011年01月09日 | 英国


車は快調にイングランドの丘と平原を進みます。田舎の街道には信号がほとんどありません。十字路でもラウンドアバウトといって、ちいさなロータリーのようになっており、まず止まることなく通過できるので大変快適なドライブなんです(^益^)b

さてこの画像は、途中で立ち寄った小さな街です。どこだったか名前を忘れちゃいました^^; この坂はゴールド・ヒルという名前でしたよ(^益^) 車で旅をすると、こんな素敵な場所に出会うことができます。


ここは街道沿いにあるレストラン。"Fried Shrimp"(小エビのフライ)を注文したら、なぜかカニの足のフライであった。そしてサラダにパンとワイン。英国では大変めずらしい(!?)おいしい料理でした。あ、そこからはちゃんと酒を飲まない友人に運転を代わってもらいましたよ^^


ストーンヘンジへ

2011年01月07日 | 英国


ロンドンの西、車で2時間弱のソールズベリー。大聖堂が見事な、こじんまりした英国らしい街でした。





ソールズベリーから車ですぐの平原に、ストーンヘンジがあります。誰でも名前くらいは聞いたことがあるでしょう。先史時代の遺跡で、この大きな石は、紀元前2500年から紀元前2000年の間に立てられたそうです。でもそれを囲む土塁と堀は、紀元前3100年頃まで遡るんだってw



冬でなければ、いつでもうじゃうじゃと観光客がいます。みなさんはこんな石が並んでいる風景にロマンを感じますか?わたしの友人夫婦で、旦那さんが「是非とも行きたい」と新婚旅行で訪れた人がいます。奥さんはオサレな都会が好きな人で、全然興味がないとかw こーゆーところは趣味ですからねェ(^益^;



このとき、一緒に車で回った友人は、千円ばかりの入場料がもったいないと入りませんでした。確かに、特に関心がなければ意味がない。そいつは露天風呂がある温泉なら必ずいくら払っても入りますけどね^^;