日曜日夜のテレビ朝日系『二十四の瞳』を懐かしく視ました。もう何度もテレビや映画で視ているのですが、この作品にはやはり最後まで見入って仕舞います。
昭和のこの時代の生真面目で芯が強く心優しい女性を、リアルにそのままのイメージで演じられる女優さんは、今回主演の松下奈緒さんの他にはいないと想いました。
壷井栄の『二十四の瞳』は多くの人にとっても想い出深い作品だと想いますが、僕も読んで涙を流した人生初めての小説でした。また小学生の頃に深夜一人でテレビドラマを見ていて同じように泣いたのを憶えています。
特に戦後に生き残った子供たちが開いた同窓会で、戦争で目が不自由になったソンキがお守りにしていた集合写真を、記憶を頼りに指でなぞっていくシーンでは胸の奥から込上げてくるものがありました。今回もどうなのかと最後のシーンを待ち構えていましたが、年をとって緩んでいるはずの涙腺は何故か応えてくれませんでした。
戦争の中を生き延びてきたのだから、皆が強くなっているはずだと言った誰かの台詞が心に残りました。そして戦後復興を支えた人達の心の強さを想いました。
久しぶりに僕の小学校時代に何年も担任をして頂いた“おなご”先生を想い出しました。大石先生と想いが重なる心優しい先生でした。