マグリックの孤独・・・とでも表したい作品。
グラス(酒)とマッチ(煙草)、櫛とシャボン(石鹸)、ひげをそるための泡ブラシ・・・成人男性の日常である。
二つ並んだ枕の寝台は整然とメイキングされ、その上に巨大に見える櫛が乗っている。睡眠、或は性生活の拒否の暗示。
洋服ダンスに映る空の雲。
人の生活の基本である衣食住、衣(洋服ダンスに映る天空)食(グラスの向こうの天空)住(部屋を囲む壁紙の天空)・・・全ては天空に帰していくような作品の意図。
存在というのは、人の生活に於いては地についたものをいう。重力圏に在るものの宿命、絶対法則でもある。
しかし、マグリットはあえて空を描き、雲に浮遊するが如き日常を演出している。
生きてはいるが、全ては虚無・・・空しさの中にある。描かれた大空・・・無限の中の部屋(閉塞)
石鹸、櫛、グラスなど・・・真新しいというか、使われた形跡なく描かれたそれらの持つ意味。日常生活という密接な関係への距離感を感じてしまう。どこかで自分の日常に距離を置いて眺めている、傍観しているのではないか。
わたくしの部屋(精神)はその日常に比して、極めて小さく空虚というか空想的であるという矛盾。生活が精神の大きさに合致しない、バランスの取れない精神状態を具現化しているように見える。
個人的価値・・・価値というものは一般に存在するものに対する評価である。しかしマグリットはあえて虚無の中に、わたくしの価値(無意味の意味)が有ると告白しているのではないかと思う。
マグリットの整然とした潔癖なまでの日常・・・しかし、二枚の絨毯のズレから垣間見える歪み。
清々しい空虚とでも言うべきか・・・内実の吐露には静かな気迫がこもっている。たくさんの雲からは、苦悩、煩悩・・・形を留めないゆえの煩雑な心境がくみ取れる。
そして雲は多いが白色であり暗色ではない・・・差し込む光なき明るさである。
「わたくしは宇宙の中で浮遊するような孤独(世間とは隔離された個人的な空間)を愛している」そう言っているような気がする。
グラス(酒)とマッチ(煙草)、櫛とシャボン(石鹸)、ひげをそるための泡ブラシ・・・成人男性の日常である。
二つ並んだ枕の寝台は整然とメイキングされ、その上に巨大に見える櫛が乗っている。睡眠、或は性生活の拒否の暗示。
洋服ダンスに映る空の雲。
人の生活の基本である衣食住、衣(洋服ダンスに映る天空)食(グラスの向こうの天空)住(部屋を囲む壁紙の天空)・・・全ては天空に帰していくような作品の意図。
存在というのは、人の生活に於いては地についたものをいう。重力圏に在るものの宿命、絶対法則でもある。
しかし、マグリットはあえて空を描き、雲に浮遊するが如き日常を演出している。
生きてはいるが、全ては虚無・・・空しさの中にある。描かれた大空・・・無限の中の部屋(閉塞)
石鹸、櫛、グラスなど・・・真新しいというか、使われた形跡なく描かれたそれらの持つ意味。日常生活という密接な関係への距離感を感じてしまう。どこかで自分の日常に距離を置いて眺めている、傍観しているのではないか。
わたくしの部屋(精神)はその日常に比して、極めて小さく空虚というか空想的であるという矛盾。生活が精神の大きさに合致しない、バランスの取れない精神状態を具現化しているように見える。
個人的価値・・・価値というものは一般に存在するものに対する評価である。しかしマグリットはあえて虚無の中に、わたくしの価値(無意味の意味)が有ると告白しているのではないかと思う。
マグリットの整然とした潔癖なまでの日常・・・しかし、二枚の絨毯のズレから垣間見える歪み。
清々しい空虚とでも言うべきか・・・内実の吐露には静かな気迫がこもっている。たくさんの雲からは、苦悩、煩悩・・・形を留めないゆえの煩雑な心境がくみ取れる。
そして雲は多いが白色であり暗色ではない・・・差し込む光なき明るさである。
「わたくしは宇宙の中で浮遊するような孤独(世間とは隔離された個人的な空間)を愛している」そう言っているような気がする。