続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

立ちのぼる生命『宮崎進展』⑥

2014-05-09 07:00:58 | 美術ノート
 抗する術なく不条理に死んでいった人たちへの哀惜の念、彼らの怒りは自分(作家)の胸の内に生きている。

 作品群は全て、作家自身の目撃した風景にほかならない。おぞましいまでの記憶が大きく膨らんでいく、共に辛酸を嘗め、瀕死の極みに聞いた声や姿は脳裏に焼きついている。救いのない狂乱の日常は絵空事ではない。
 その光景を忠実に描くことを決断した作品群には、鑑賞者を酔わせる魅惑はない。しかし真実を訴えようとする恐ろしいまでの暗黒の闇がある。尊厳の剥奪にみる残骸と化した死体の集積は地球という地の底に融解していったが、生き残った者としての鎮魂の感情を作家は押さえきれずに抱き続けている。

 死者たちの足音、死者たちの憤怒、魂を剥奪された有機物質である人間の溶解、死滅。

 生きている自身の告白であり、彼らと同化していく精神のありようを具現化した作品群は、沈思黙考・・・作品から放たれる緊密な空気を受け止めることでしかそのニュアンスを理解することは出来ない。
 作品群はすべて、死者たちへの鎮魂であり、作家自身の精神の風景である。

『ポラーノの広場』322。

2014-05-09 06:45:28 | 宮沢賢治
すぐ上の壁に大きながくがかかってそこにそのうちの四人の名前が理髪アーティストとして立派にならび、二人は助手として書かれてゐました。


☆衝(重要な所)を闢(開く)のは、代(入れ替わる)詞(ことば)である。
 塵(煩悩)の迷いは全て利(もうけ)により発(おきる)。
 留め、把(手につかむ)富の図りごとを除(とりのぞくこと)が、趣(志す所)の緒(はじめ)である。

『城』1618。

2014-05-09 06:13:35 | カフカ覚書
この粗末なわらぶとんでさえ、助手たちの垂涎の的であった。もちろん、このわらぶとんに寝かせてもらえる希望さえ、彼らにはなかったのだ。

 わらぶとん/Strohsak→Strahl/光り(光線)、Sage/伝説。

☆この先祖の光を脳は強く希望したように見えた。むろん、かっては存在を許されていたハロー(死の入り口)さえ今はなかった。