続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

痛みに耐えて・・・。

2014-05-14 06:29:52 | 日常
 FUさんは75才、元気に闊歩している。定年後も介護の仕事で飛び回り、今も、買い物支援で毎日出かけている。

 そんな快活なFUさん、
「元気でもないの、空元気・・・。小さい頃から病気がち、腫れ物がしょっちゅう出来て膿みを出しに医院通い、それから盲腸、胃の全摘手術・・・いろいろ病気をしたわ、それでもずっと仕事だけは辞めずに働き続けたの。最近は一人暮らしで呑気にしていたんだけど・・・見ての通り、息子の嫁さんが病気なもんだから、最初は孫が一人やって来て、そのうち三人ともが居候。そうして息子まで・・・玄関も靴で溢れているわ。
 今の子って何もしないの。今日なんか洗濯を三回もしたわ、くたくたよ。仕事をして遅くなってもご飯を待っているのよ」と、こぼした。


 FUさん、母親を助け、早くに働きに出て何でもやり、病気を押してどんな苦労も厭わなかったのに・・・苦労の方が押し寄せてくる。
 FUさん宅を訪ねた時、お孫さんに「いる?」と聞いたら「おばあちゃんはまだ帰りません」と言われ、まあ、そのうちと再び訪ねたら「いるけど、寝ています」と言うので、引きかえした。
 年中忙しく留守がちなので、その日の夕刻、再び訪問。それでこの話、長々一時間も続いたけれど、彼女の表情に快活さが戻ることはなくいかにも憔悴仕切った感じ。
 明るかった景色も7時を回り、あたりは薄暗闇・・・。


 元気に見えても人は次第に老いていく。
 わたしも老いて劣化の一途・・・淋しい夕暮れである。
(もう少し、もうすこし・・・)もう、少ししか残っていない時間。
 踏ん張れるだけ頑張ることが幸福か、「もういいよ」と声を掛けられることが幸いか、どちらにしても、生きている限り(甘えは捨てなければ)と心している。
 痛みに耐えることが、即ち生きている証しかもしれない。痛みを肯定してしまえば、むしろ気楽である。
 

『ポラーノの広場』337。

2014-05-14 06:07:34 | 宮沢賢治
「さあ、どうかね、お客さまのお顎が白くて、それに円くて、大へん温和しくいらっしゃるんだから、やはりオールバックよりはネオグリークの方がいゝぢゃないかなあ。」

 お客さまはカクと読んで、覚。
 お顎はガクと読んで、学。
 白くてはハクと読んで、吐く。
 円くてはエンと読んで、掩。
 大へんはダイと読んで、題。
 温和はオン・ワと読んで、穏、話。


☆覚(さとり)、学ぶことを吐く(言う)。
 掩(おおいかくした)題(テーマ)があり、隠した話がある。

『城』1623。

2014-05-14 05:58:05 | カフカ覚書
だから、どんなことでも我慢をして、文句を言わせないようにつとめた。これは、彼にとって全然むずかしいことではなかった。なぜなら、頭のなかでバルナバスと歩いていたときおことを思いうかべてが、自分が頼んだ使いの文句を一語一語くりかえしていたからである。

 使い/Botschaft→Boot/小舟。

☆それゆえ、考えることの全てを我慢した。彼にとって全く困難なことではなかった。なぜなら、バルナバス(北極星の化身)と一緒の時のように小舟という言葉を繰り返していたからである。