続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

氷解。

2014-05-13 07:03:49 | 日常
 姉妹が寄り添い、一つ屋根の下で暮らして十二年。
 お互いの行き違いから、火花を散らすことも再三、「もうやっていけないわ」と、涙したこともある姉。

 85歳の姉と73歳の妹、妹が風邪をひけば仲違いは中止して出来うる限りの看病。(妹の好物を)と、杖を付いての購入に出会ったこともある。それでも妹の身勝手に腹を立てては悔し涙。

「何もかも半分ずつにしているのよ、もちろんお金はわたしが出すのだけれど。この間もね、立派な葡萄を十個ずつ分けたの。わたしはそのまま食べたけど、妹は一粒づつゼリーのお菓子にしたの。一つくらいわたしにくれてもいいと思うのに全部自分の冷蔵庫にしまって知らん顔なの」なんていう他愛無い話から男友達に関しての「お姉さん、それは嫉妬よ!」と痛くもない腹を探られた憤怒までトラブルは数え切れない。


 ところが最近、姉が脳震盪を起した。幸い妹が応急処置、「救急車を呼ぼう」としたら、覚醒した姉が手で遮り事なきを得たという。
 そして昨日、「わたくし、今までのことをすべて水に流して、これからは妹に全面的に頼ろうと思います」という。
「そう妹に伝えたら、妹がね『お姉さんには大変世話になって、お金にしたら一千万円やそこらじゃ足りないほどの恩恵にあずかっている。感謝しているわ』って」と、晴れ晴れした顔で報告。

 紆余曲折・・・これからだって何があるか分からないけど、姉と妹が手を取り合った愛でて美しい場面に心洗われる思い。
 他所ごとながら人生の劇場はエンドレス。

『ポラーノの広場』336。

2014-05-13 06:45:56 | 宮沢賢治
 二人は私のうしろに来て、しばらくじっと鏡にうつる私の顔を見てゐましたが、そのうち一人のアーティストが、白服の腕を組んで答へました。


☆字の図りごとは詞(言葉)に頼っている。
 教(神仏のおしえ)の詞(ことば)に、信仰が現われる。
 逸(隠れた)図りごとえお吐く(言う)。
 複(二つ)をひとつに協(あわせる)素(本質)を、套っている。

『城』1622。

2014-05-13 06:25:42 | カフカ覚書
彼女がKにたいして心中ひそかに含むところがあるとおもわせるようなところは、言葉にも、しぐさにも、表情にもまったくなかった。とは言え、Kにすれば、そういうフリーダを縉紳館から、さらにこんどは橋屋からも無理に連れだしてきたのは自分であることを、自認せざるえなかった。


☆小舟という言葉、小舟という暗示、それに対して彼女がKにたいして閉じた様子は少しもなかった。
 ただ氏族の苦しみにより忍耐を抱えている大量の死んだ人々の死の入り口を、同じ仲介の死の入り口から引き離すことを言わざるを得なかった。