[ルクソール、ナイル]の意味がよく分からないけれど、犬が三匹、三角形の三点に位置している。
Luxorとは何か・・・Luxeは贅沢、このタイムリーな配置を撮影できたということだろうか。
若林奮の作品は概ね、丸・三角・四角である。直線が面になる原初的な美しい形、太陽・月・星への憧憬。
偶然、犬という個体が三角形を造ったことをカメラで捉えたということである。もちろん次の瞬間にはそれは跡形もなく崩れてしまうことは必至。
三角形に位置する、四角形に囲まれた空間を所有する、円形に掘られた地下を想像する、これは若林奮の思考を促している原点だという気がする。
それはどこまでも焦点を結ばない無限に広がる空間であり、常に様相を変化させていく時空への執着である。あるいは、だんだん小さくなって消失してしまう存在の霧消。
大いなる自然の風景をコンパクト/簡潔に留める仕事、それが若林奮の空間認識における工程なのだと思う。
三点に位置した犬の情景に、(してやったり)の作家の顔が浮かぶ。
(わたし達は、宇宙の中の偶然の一瞬(時空)に位置しているにすぎない。)
(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)
カンパネルラは、そのきれいな砂を一つまみ、掌にひろげ、指できしきしさせながら、夢のやうに云ってゐるのでした。
☆赦(罪や過ちを許す)が逸(隠れている)章(文章)は止(一所に留まること)の無い運(めぐりあわせ)である。
村のなかにおいてさえ、彼にかんするいろんな報告にはかあり大きな食い違いがあります。背たけから物腰や態度、ふとり具合、ひげの形にいたるまで、それぞれ食い違っています。
☆たとえ、来世(冥府)の中にあっても、かなり重大な相違があります。平静さや強さ、小舟にいたるまで、それぞれ食い違っているのです。