続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『呪い』

2015-12-28 07:24:52 | 美術ノート

 『呪い』青空に浮かぶ雲・・・ただそれきりである。
 空を見上げる・・・多くは祈りなど希望につながる行為である。しかし、『呪い」とある。
 空に負の要因はあるか。
 「災いは天から降ってくる」という、一理あるかもしれない。

 空を見上げて呪うとは、どういうことだろう。空の果て、遠い過去へのやるせない思いなのだろうか。

 災害は空の彼方に在る太陽と雲の関係にに起因していることが多い。雲のない晴れ間続きの干ばつ(日照り)、雲に覆われた長雨、地球上の照度の差異による風の強度、極寒、極暑・・・。

 雲によって引き起こされる災害、水の三態は地球の運命を左右してきたし、不穏を孕む大きな要因である。

 負の産物をもたらすものとして恨めしく空を見上げ、雲の動向から目を離せない地上の存在者たち。

 現れては消え、消えては現れる予測不可能な雲の行方に心を痛めている。
 災害という物理的現象は、人の心に大きな傷を残す。辛酸をなめても運命に従うしか術はない。英知、力の及ばない自然の理である空の雲は、確かに『呪い』という心理的対抗手段を持ってしか怨みを埋めることは出来ない。

 神の力も及ばぬ自然の理の根源として、雲の散在する青空を描いたのだと思う。

(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


怖いほどに・・・。

2015-12-28 06:45:34 | 日常

 すぐに忘れる、怖いほどにすぐに忘れてしまう。
 今、何かをしようとしていたけれど、何をしようとしていたのか思い出せない。まったく《今少し前》に考えていたことが記憶の中からすっぽり抜け落ちている。

 まずいな・・・こういうの認知の始まりではないか。

 自分に出した指令が、従おうとしてその指令が消失していることに気付く。たった今、今少し前・・・。

 意気消沈してぼんやり考える。(何だったのか)ダメだ…どうしても出てこない。こんな風にいろいろ忘れていくのだろうか。なのに思い出したくないような過去の出来事が予告もなしに脳裏を走る。

 わたしの記憶装置はどうなっているのだろう。
 今日為すべきことを明日に延ばす、そうしてそれらは積み重なって為すべきことは永遠に忘れ去られることもある・・・かもしれない。

 怖いけれど、わたしの中の葛藤は他人に見えないので忠告されることも叱責されることもない。

 けれどよく考えてみると、今に始まったことじゃないことに気付く。
「先生が今お話ししたでしょう、それを思い出せばいいんです」と、教師。
(…ええっ、何をお話してくれたんだっけ、思い出せないよ)と、小学生のわたし。


 ずっと昔から、今に始まったことじゃないのかもしれない。


『銀河鉄道の夜』182。

2015-12-28 06:34:42 | 宮沢賢治

ここは百二十年前、第三紀のあとのころは海岸でね、この下からは貝がらも出る。


☆飛躍した字の自由を番(かわるがわる)念(考え)、全て題(テーマ)の太陽を基(根本)にしている。
  皆(すべて)の眼(要点)は化(形、性質を変えて別のものになる)の解(部分部分に分けて)推しはかる。


『城』2187。

2015-12-28 06:27:19 | カフカ覚書

机のうえには、大きな本をひろげて、順々にならべてあります。そして、たいていの本のそばにはお役人が立っていて、それを読んでいます。


☆論点を示す偉大な本を広げて順々に並べてあります。そして本には大抵反論があり、それを読解しています。