続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

歳月。

2016-07-26 07:20:18 | 日常

 叔母の告別式で久しぶりに従兄弟(従姉妹)が顔をそろえた。
「最後の叔母だから、もう会うこともないかもしれないね」と、誰かが言う。

 それにしても、みんな十分に…年を取った。幼い頃の思い出が過り年を重ねたことを忘れるけれど、
「いくつになった?」
「もう84才だよ」「・・・」
「わたしは来年になれば70・・・」「えっ、そうなの」侃々諤々。

 従兄弟全員が両親を送った現今、「これからは自分たちの番だな」と、誰言うということもなく漏れ聞こえる溜息。

 八王子から嫁いできたという叔母さんの本家の息子さん、
「八王子は生糸農家が多くて家はその仲買いをしていたそうです。当時の羽振りは人力車の送迎でもしのばれ、自転車なども先んじて使用していたようです。」と叔母にとっての祖父の時代を話してくれた。

 みんなそれぞれの物語を生きている。叔母さんは歌が好きだったそうな・・・、いろいろあったかもしれないけど、百歳万歳!そして「さようなら」


デュシャン『3つの停止原基』

2016-07-26 06:47:49 | 美術ノート

 『3つの停止原基』
 長さ1メートルの糸が限定された3枚のカンヴァスを、3枚のガラス・パネルに謬で貼りつけたもの。それぞれのパネルには糸の曲線に従った木製の定規がついている。すべてが収められた木製の寸法は129.2×28.2×22.7㎝(解説より)
 ちなみに、糸の曲線は全くの偶然に拠るものらしい。

 停止原基なんて言う言葉があるだろうか…原基とはいわば《未来予想図》
 未分化(見決定)の状態の未来を決定づける根本、それを停止と否定している。
 しかもこの場合、原基は全く偶然性の表明であリ、しかも自身が決定した偶然である。
 3つ…一次元・二次元・三次元(4つなら4次元?)
 3つ…過去・現在・未来(4つなら死後?)
 過去と現在はすでに決定しているから原基には触れないが、存在そのものの運命論の全否定だと思う。
 もちろん物理的解釈ではなく精神論の範疇である。

 運命の予想という他から働きかける力の阻止である。換言すれば《自分自身の解放》を静かに言明し得た作品だと思う。


(写真は『マルセルデュシャン』㈱美術出版社より)

 

 


『城』2387。

2016-07-26 05:55:08 | カフカ覚書

しかし、アマーリアはソルティーニを愛さなかったじゃないか、とあなたは反論なさるかもしれません。まあ、愛していなかったでしょう。でも、あるいは愛していたかもしれません。だれがそんなことを断言できるでしょうか。あの子自身すら、断言できないでしょう。


☆しかし、アマーリアはソルティーニを愛さなかったではと反論するかもしれません。愛してなかったでしょう、でもひょっとしたら愛していたかもしれません、それを決定できるでしょうか。先祖の汚点は彼ら自身のことなんです。