孫たちが来ると、そこら辺の何でもないものが珍しく映るらしく面白い遊び道具と化す。
8才のキヨちゃんはゲームに夢中だけど、3才(ケイちゃん)と5才(ハルちゃん)の二人は探検よろしく家じゅうを見て回り、それとなく悪戯をしている。帰った後の時計の針やTVの画面やスイッチ類はことごとく一応手を付けていくらしく思いがけないことになっている。
こんな楽しい時期もすぐに通り過ぎてしまうんだろうな…、可愛い可愛い孫たちである。
『ピレネーの城』
海上に浮かぶ巨岩石、その頂上に、やはり岩でできた(石化した)城が聳えている。背景は白雲の散在する自然の青空である。
この作品に対面した時の印象は、とりもなおさず(恐怖・不安)の不安定な驚愕である。巨岩石は通常落下するものだし、視点は水平線上(遥か下)にあるから、この状況の再復元、追体験には不思議さと共にとんでもないエネルギーを強要される。
きわめて静謐な空気感を醸し出しているが、重力圏内においては恐怖以外の何物でもなく、この大事件発生は、大いなる不条理の具現と言わねばならない。
石化した死の城は過去の栄光であり、地上からは決して見えない幻である。
この光景は、物理的解釈で否定したり精神的な感想を云々するということを超えている。
解釈を寄せ付けない緊密かつ解放された空気感による一つの《詩》である。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
一郎はからだをかがめて、
「おい、きの、やまねこが、こゝを通らなかつたかい。」
とききました。
「やまねこなら、けさはやく、馬車で南の方へ飛んで行きましたよ。」とこたへました。
☆逸(隠れている)糧(物事を養い育て支える上で必要なもの)を通(広くいきわたらせる)。
魔の赦(罪や過ちを許す)の難(苦しみ)の法(神仏の教え)の講(話)である。
この勤めから手を引きますと申し出てしまった、などと報告しましても、もちろん、わたしは、あの子の失敗を償ってやるのに役だつとあれば、だましたり、噓を言ったり、ぺてんにかけたり、その他ありとあらゆる悪いことをへ、それは、すくなくともわたしの考えでは、あなたのためとわたしども一家のためにしていることなのです。
☆使者(小舟)の申し出に傷つくことなくこれらの死が近づきました。もちろん過失を償えるなら、だましたり、嘘をついたり、欺いたりするなど全ての悪事から救済することができるのです。