続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『記念日』

2017-10-24 07:16:48 | 美術ノート

 『記念日』

 室内に鎮座する巨岩石は、ある意味、部屋に対峙し同質と言ってもいいかもしれない。
 なぜ岩石か、なぜそれが記念日なのか。

 岩石の最も古いものはカナダで発見された42億8000万年前の物だとされている。地球の誕生は46億年前だから、ほとんど同時期マグマが冷え固まったものだと考えられる。地表での浸食・風化の歴史、長い年月の時間によって岩石というものが構成され、人類を助けてきたと思われる。
 最も硬い道具として調理や武器にも多用された岩石。

 岩石こそは今日の文化を支えてきた礎であり、記念すべき象徴である。
 部屋は生活の要であるが岩石は人知の原初であれば、精神はその事実を胸に刻まねばならないし、窓外には水平線(真理)が見え、水との緊密な関係も外すことは出来ない。
 しかし、岩石の誕生こそがあらゆる記念日を凌駕した最初の記念日である。

(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『城』2791。

2017-10-24 06:30:39 | カフカ覚書

 Kは、オルガに聞いて、その客が自分のところへ来たことを知った。助手たちのひとりが、フリーダに言いつけられて、彼をさがしにきたのである。


☆Kは、オルガに聞いてその(死の)訪問が彼に来たことを知った。先祖の見物人たちはフリーダ(自由)の言いつけで彼をさがしに来たのである。