『ゴルコンダ』
『ゴルコンダ』とはかつて栄え、今は幻(廃墟)と化した都市の名前らしい。
時空を遡れば大勢の人たちで満たされていたはずの都市空間のざわめきは、すでに今は見えない。確かに存在していたものが消失するという事実は地球上至る所で発見されるかもしれない。
平面では、あたかも整列しているかに見える光景である。しかし、立体視すれば、それぞれ異なる方位を見、遠近においても相当の差異がある群衆の散在である。
全く同じように見える人の全く違う方向性(個性)を黙示しているのではないか。
群衆の中の一人一人は酷似した様相に見えるが、重力からの解放=精神の自由をもって驚異的あるいは圧倒的な世界観を持って存在している。
ゴルコンダという廃墟と化した都市に等しく、非個性的と思われる無名性の中にも過去があり、衰退、退化の時空には目に見えない静謐なエネルギーが蓄積されている。
何気ない景観(空間)の中には歴史に刻まれた膨大な群衆の足跡があり、犯してはならない聖なる空間の広がりがある。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
一郎はそのみちをのぼつて行きました。榧の枝はまつくろに重なりあつて、青ぞらは一きれも見えず、みちは大へん急な坂になりました。
☆逸(隠れた)糧(物事を養い育て支えるのに必要なもの)の講(話)は、秘の詞(言葉)で調べられる。
照(あまねく光が当たる=平等)が逸(隠れていること)を兼ね、大きな救いを伴う。
オルガは、Kをその助手からかばってやろうとおもったのだった。Kが、ここへ来たことをあとでフリーダに打ち明けたいとおもうなら、そうしたってかまわないが、助手に見つけられたのではまずい、と思ったのである。Kは、その意見に賛成した。
☆オルガは、Kを助手から守ろうとした。Kがここを訪れたことを後にフリーダに報告したいと思うのならそうしたかもしれないが、助手たちに打ち明けるべきではないと思った。