「患者様」ちょっと違和感 「患者さん」に戻す病院も(朝日新聞) - goo ニュース
2007年5月2日(水)13:42
「患者様」という呼び方が病院ですっかり定着した。しかし、好きで病気になったわけでもないのに、違和感を感じる人もいる。もともと患者の立場を尊重した医療の実現などを意識して使われ始めた言葉だが、「日本語としておかしい」という指摘もあり、「患者さん」に戻す病院が出てきた。
京都大学病院(京都市)では、昨年末から掲示物やホームページなどの「患者様」という表現を「患者さん」や「患者の皆さま」に改める作業を進めている。院内放送を録音し直し、看板はすべて取り換えた。
呼称の変更は病院の幹部会議で決め、2000人余りの職員に文書やメールで周知した。「様」をつけていいのは「田中様」といった姓の後だけ。一山(いちやま)智・副院長は「院内で違和感があるという声は以前からあったが、患者自身からも『馬鹿にされている感じがする』という意見があった」と言う。
さらに変更の理由の一つに、院内で医療スタッフへの暴力や暴言が多発していることを挙げる。「『患者様』と呼ぶことが直接の原因ではないが、一部の人に誤った意識を助長しているような気がする」と一山副院長は話す。
「患者様」という言葉は、患者本位の医療やサービス向上を意識して一部の病院で使われ始めた。01年に厚生労働省が出した国立病院のサービスに関する指針に、「患者の呼称の際、原則として姓(名)に『さま』を付する」という内容があり、広まったらしい。
00年に「様」を導入した長野県東御(とうみ)市の東御市民病院では03年、「サンさま再検討委員会」が作られた。アンケートの結果、職員、患者とも「『さん』の方が身近で親しみを感じる」という意見が多かったことから、「さん」に戻している。委員長を務めた薬剤師の中山孝子さんは「患者と対等な立場になることが重視される中で、医療はサービスと称してへりくだった態度をよしとする思い違いをしてきたような気がする」と振り返る。ただ、公的性格の強い文書や掲示物では「様」という表現を残しているという。
一方、近畿地方のある大学病院の教授は「教授会で議論して『さん』が良いという結論にはなったが院内で徹底するのは難しい。医師と窓口の職員とでは考え方が違うようだ」と話した。
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「患者様という言葉はおかしい」との指摘は、国語学者の故金田一春彦さんも自著でしている。「日本語を反省してみませんか」(角川書店)で、「『患者』という言葉自体がすでに悪い印象を与えるため、いくら『さま』をつけてもらってもうれしくない。(中略)いくら頑張っても敬うことにはならないのである」と書いており、医療関係者が見直しをするきっかけにもなった。
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〈95年に全国に先駆けて「患者様」という言葉を取り入れた亀田総合病院(千葉県鴨川市)の亀田信介院長の話〉 言葉の使い方は本質的なことでない。病院ごとに決めれば良いと思う。うちはホスピタリティー(もてなしの心)の一環で「患者様」という言葉を使っているが、これは公的な場のことで、患者が知り合いの漁師なら、「どう、元気?」と切り出すこともある。状況に応じたパートナーシップを築けるのがプロの仕事だと思う。
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「患者さん」のほうが馴染みますねー。
「患者様」なんて呼ばれたら、金儲けをしようと企んでいる人が手ぐすねを引いているようで嫌ですねー。
ちなみに、私のところでは患者さんに対して、「お大事にしてください」とは言わない。
ずっと前から、「ありがとうございました」なのです。
これもそれぞれの考え方があるので、持論を強調するわけではないのですが、仮に私が患者さんだとして、「お大事にしてください」と言われると、その言葉を聞いただけで重病人になった感じを受けるからです。
そして、誰でもそうだと思いますが、「ありがとうございました」という言葉を聞いたら、それだけで嬉しくなるので、心から軽くしてあげるように務めたいと考えるからです。
「患者様」と口だけで言っても、対応が「医療従事者のほうが偉いんだ!」という態度であれば、「バカにされてる」気分になるのは誰しも一緒ではなかろうか。
言葉だけを替えても、精神が伴わなければ意味がないのです。
例えば、阪神大震災の後にこんなことがありました。
その時は精神科に通う人も多く、時には看護師が、患者さんから急かされたり怒られたりしたようで、ある番組の取材に答える女性の看護師さんが、
「患者様にお薬を出してあげているんですからねー」と発言。
労わる気持ちも何にもないように聞こえるし、「お前ら来るな!」とも聞こえた。