
石平氏、特別講演会風景
江嵜企画代表・Ken
石平特別講演会が3月23日午後2時半からNPO法人国際生涯学習文化センター主催で「学問塾」セミナーホールであり、石平氏が、習近平体制移行後の中国について、どのように語られるか興味があり、楽しみにして出かけた。
定員150名の会場は補助イスを出すほどの盛況で、大部分はお年を召した男性だったが、中国新体制の今後に対する関心の大きさが伺えた。会場の様子をいつものようにスケッチした。
午後1時半から3時まで、よどみなく石氏から飛び出す生放送は迫力満点だった。限られた紙数では書ききれない。一言で言えば、13億中国を食わせていくためにはひたすら国防力を増強、尖閣問題についても一切の妥協はしない、いや、むしろ彼らは立場上出来ないだろうと、明快だった。一国にまとめ上げるためには強権的にならざるを得ない。7つか8つかの国に分割出来れば彼らも心安らかになるに違いないと話したところで、会場はわが意を得たりとばかり多くがうなづいていた。
中国経済の2けた成長の時代は終わった。習近平は内にあっては権力闘争、任期10年も最初の5年後に7名の中央委員の内、5名が退任、さらに言えば、習近平自身はじめの5年の任期を全う出来るかどうかも必ずしもはっきりしないと語るところが新鮮だった。おそらくはそういう事態は起こらおないだろうが、起こりうる可能性があると、石氏が見ていることが言葉の端々から見てとれた。
講演後、質疑応答の時間が用意された。最初に手を上げた男性が「習近平が正式に主席に就任後の最初の訪問国にロシアを選んだことをどう思うか」と聞いた。開口一番、「アメリカを最大限意識した行動だ。尖閣諸島問題で渦中にある日本も意識している。」と答えた。その一方で、「ロシアは中国を信用していない。」という一言が面白かった。
次に質問に立った男性は「中国が安保理事会で北の核ミサイル発射に反対したがどう思うか。」と聞いた。石氏は「北が中国に向けて核攻撃してくることを排除できない。」と話したあと「金一家の孫、父、祖父の3人は実に頭がいい。孫のキム・ジョンウンは、最後は北を中国は見捨てないと見切っている。だから、安心してやりたい放題行動している。」と答えたところが面白かった。
三番目に立った男性は「尖閣問題は日本としてどう扱うのがいいのか、石先生のご意見を聞きたい」と言った。「つかず離れずがいい。周辺国との連携をどんどん深めていくことが現実的だ。その点では安倍さんはよくやっているのではないか。」と答えたあと「最近になって、{関係改善}という「エサ」を中国は日本に用意しはじめた。先日の日経朝刊に、尖閣諸島が攻撃されたことを前提に日米が軍事演習計画と出た。本来軍事秘密を公開するわけがない。中国はこの報道に神経質に反応している。」と話したところが面白かった。
中国は、日本が「国防」を語ると「右翼」という。日本以外の国は自分の国は自分で守る。国防は本来最悪の事態を想定して行うものである。「国防」と言えばが「右翼」なら、世界中が「右翼」であると、氏の持論を展開した。(了)