森田リえ子花らんまん展風景
江嵜企画代表・Ken
「森田リえ子 花らんまん展」が香雪美術館(078-841-0652)で3月8日からはじまった。会場のある阪急御影駅界隈は、例年になく寒い。時に小雪がちらつく。初日のこの日も寒さいとわず大勢の森田りえ子ファンが会場に詰めかけていた。30数点の作品をある人は近づいては離れ、離れては近づきながら、熱心に鑑賞していた。大作「柊野五色椿」を背景に会場の様子をスケッチした。
パンフレット表紙絵を飾った「花の下」と題した舞妓さんの本画のそばには素描が添えられていた。素描はスミレ、椿、山桜、糸菊、カブトムシなどの昆虫など数点展示されていた。
今回の展示場には日本画の描き方コーナーがある。デッサン、下絵、葉の彩色、花の彩色と分けて書かれていた。例えば、葉については「隣の葉と重ならないように一枚づつ塗る」などと言った調子の解説があり、熱心に読む光景を目にした。
花の素描では、胡粉、岩古代朱10など絵の具の品番が書かれていた。「根から先」などといった書きこみも見られた。3月14日には森田りえ子さんの母校大学現役の画学生への特別講座も予定されている。
干支に題材をとった東大寺絵馬の実物が2007年の子(ねずみ)から2014年の午(うま)まで展示されていた。今までの森田りえ子展とはひと味ちがった展覧会という印象を受けた。
香雪美術館の路地一つ隔てて今話題の弓弦羽神社が鎮座している。当の神社は、ソチオリンピックで見事金メダルを獲得した羽生結弦選手が当の神社に奉納した絵馬が女性週刊誌にも取り上げられ、一躍『全国区』になったと伝えられる。
「森田りえ子 花らんまん展」は5月11日まで開かれている。美術館内庭にはほどなく桃、桜も咲く。時間が許せば、お近くにお出ましの向きは、会場までお運びいただければありがたい。(了)