折れた棕櫚の樹液に集まるカナブン
江嵜企画代表・Ken
台風11号襲来の翌8月11日、根元から1メートルにかけて
倒れている棕櫚の姿があった。その日は夏の甲子園開会式。
遅れるわけにはいかない。そそくさと現場を後にした。
いくら強風とはいえ、棕櫚は簡単には倒れまい。改めて
現場を訪れた。現場で撮った写真を友達に見せた。幹の側面が
黒焦げになっていた。おそらく雷に撃たれて倒れたに違いない。
ご近所に落ちなくて本当によかったのでないかと言ってくれた。
棕櫚はこれからがシーズン。頭にたわわに葉をつけたまま身の丈
10メートル強の幹が、まるで後頭部からそのまま落ちたような
状態で痛々しい姿で転がっていた。
数日後、幹の切れ目に、無数のカナブンが群がっている場面を
見つけた。おそらく樹液を求めて集まったのであろう。絵心を
大いに刺激されてスケッチした。
雨上がりの今朝、例の更地を訪れた。紅葉葵が元気よく咲いていた。
棕櫚の幹の裂け目を見たら、虫一匹いなかった。栄養を送り込む
必要がなくなった。御用済みの木には虫も寄り付かないのだろう。
帰り際、棕櫚が絵を仕上げてくれと、声をかけてきたような
気がした。10日ばかり放置していたデッサンを自宅で彩色した。
台風11号の襲来で今年の夏の甲子園は開会式が2日遅れた。
決勝戦の様子をテレビ観戦した。大阪桐蔭が三重に4-3で
辛くも勝って夏4回目の優勝を果たした。
こちら関西では夏の甲子園が終わると秋が訪れると昔から
云われる。果たして今年はどうか。特に今年の夏の甲子園は
打撃戦、逆転の試合が多かった。高校球児から多くのエネル
ギーをもらうことができ感謝している次第である。(了)