日本画「青柿」:第50回神戸市高齢者美術作品展出展作品
江嵜企画代表・Ken
第50回神戸市高齢者美術作品展が10月17日(土)~21日(水)の5日間、相楽園会館
で開催される。冒頭よりおこがましい限りであるが、最寄りお運びの向きはお立ち寄
りいただければ誠にありがたい。ただ、例年ほぼ同時同場所で菊の見ごろに開かれる
「菊花展」には間があるかもしれない。
今回の作品「青柿」制作には正直紆余曲折があった。柿は一度描いてみたいと胸中
暖めていた。昨年秋、たわわに実を付けた路傍の柿の木をスケッチした。スケッチを
猪熊佳子先生に見ていただいたところ木の奥まで描き切れていないの一言があった。
それなら、柿の木が実も葉も落とし、冬に丸坊主になったところから描き起こして
みようと一念発起した。花を咲かせたあと実をつけ、赤ちゃんだった実が、夏場にか
けてぐんぐん成長する過程を追いかけることになった。正直回り道した。しかし、学
ぶことはなはだ多く、感慨深い一年となった。
先日、10月11日(日)大阪日本橋で日本画教室があった。辛抱強く見守っていただ
き、最後の最後までご指導いただいた日本画家、猪熊佳子先生に感謝の気持ちで一杯
である。猪熊佳子先生によれば、実が主役である。しかし、葉を含めて全体が青いか
ら、本来「青柿」は難しい題材のひとつなのだそうだ。
怖いもの知らずとは、よく言ったものだ。なまじ智慧が働くと「青柿」を題材に選
ばないかもしれない。相楽園の会場で受付番号を聞いたところ22番目だった。搬入は
明日もある。日本画部門では例年40数名が出展する。果たして今年はどうであろう
か。
神戸市民であれば60歳以上なら誰でも参加できる。日本画部門では、例年70歳代が
一番多い。80代、90代もそれぞれ10名前後おられるからすごい。大いに力をもらって
いる次第である。(了)