森田りえ子展ギャラリートークat三越日本橋本店
江嵜企画代表・Ken
森田りえ子展KAWAII/GITAI展、ギャラリートークが10月25日(日)午後2時から
三越日本橋本店で開催され楽しみにして出かけた。同店本館6階の美術特選画廊には
大勢の森田りえ子ファンがつめかけていた。この日は新大阪始発乗車、新横浜で途中
下車して川崎の王禅寺さんご夫妻表敬訪問、会場に着いたのはトーク開始15分前だ
った。
「6年前KAWAIIシリーズを描いた。今回、それをひとひねりし、様々な変化を加え
た。GITAI(擬態)と題して15点作品に仕上げた」と森田りえ子画伯はトークショー
の口火を切った。「作品を紹介する前に一言」と前置きして、「去年、母を亡くしま
した。一年くらいは描けないとその時思いました。絵描きは絵を描くことが商売で
す。次々絵を描くうちに悲しみが薄れていきました。没頭できるものがあってほんと
うによかったと思います。母は天国でいつも私を見守ってくれていると思います。」
と話された。
「今年9月26日に大学時代の恩師、石本正先生をなくしました。石本先生のヌード
の舞妓さんの絵をみて大変な衝撃を受けました。石本先生は人物画のあり方について
私を目覚めさせて下さいました。もう一つは、岩絵の具の存在です。岩絵の具で人物
に影を付けることで納得のいく人物画にたどり着くことができました。今回の15点の
絵のバックに一枚一枚違う色の岩絵の具を使いました。」と、ひとまず前段の話を終
えた。
森田りえ子画伯は会場正面の赤い丸を背にオモチャのピストルを飛ばす少女の絵か
ら解説を始めた。「赤い丸は日の丸です。少子化ニッポンを吹き飛ばせの意味をこの
絵の中に封じ込めました。実は、この絵の中に、ピストルの号砲とともに飛び出した
紙ひもの図柄に「もりたりえこ」を書きこみました。」といたずらっぽく笑った。そ
して話を続けて「描いている途中、この絵を東京オリンピックのエンブレムに応募し
ようと決めました。私の描いた絵ですから本物です。』とビックリ発言。会場全体
から大きな拍手が沸き起こった。
センターの作品から次は右、そして左、右へ。交互にテンポよく小走りに移動しな
がら作品の前で解説した。風神の絵、雷神の絵、海の女神ミューズに題材にとった絵
と続く。最後にスイカをスカートに仕立て、メロンを頭に置いた絵を解説した。「こ
の種を描きこんで筆を置きました。」と一粒の種を指差した。「10月18日の夜7時で
した。もうふらふらでした。すぐに荷づくりして、10月21日の個展初日に間に合わせ
ることが出来ました。」と話し、そこでまた、会場を沸かせた。
続けて森田画伯は「今回の個展で学生時代の夢を叶えた感じで今います。これから
どんな作品を描くか自分にもわかりません。ところで、ここでご紹介したい方がおら
れます。截金(きりかね)作家の江里朋子さんです。母上が人間国宝、江里佐代子さ
んです。次回の個展は江里朋子さんとコラボをする。そんな予感が今あります。」と
話された。
最後にご案内したいことがありますと前置きして、「来年4月に相国寺美術館で森
田りえ子展を開きます。是非京都までお越しください。本日は本当にありがとうござ
いました。」と話して、お開きとなった。新たな目標をめざして日々、挑戦する。強
く生き切る姿を森田画伯は目の前で見せた。大いに元気をいただき、ひたすら感謝で
ある。(了)