今までの「診断即治療」の記事内容は、今後 FC2ブログ に書いていく予定です。

腕橈骨筋

円回内筋
今度の 臨床実践塾 では、手技療法や鍼灸療法で、「ハリックマジック」の解説をする予定です。
「治る」には、異常個所を整える必要があり、再発しない状態を維持することができた時点で「治った」となります。
筋・骨格系では、解剖生理学を中心に説明した方がわかりやすいので、解剖生理で説明するつもりですが、解剖生理で説明しにくいものもあります。
鍼灸の経絡を使った治療法です。
たとえば、頭が痛いのに足に鍼を刺して治す。
腰が痛いのに手に鍼をして治す。
これは解剖生理を中心に勉強をしてきた人には理解できないことだと思います。
タイトルのような症状を訴えて来た方がいました。
筆で字を書く人に多く見られる症状です。
構造で考えると、腕橈骨筋や円内転筋に長時間力を入れたために、肘関節で、橈骨が前側にズレたことが原因と考えられます。
つまり、それらの筋肉が橈骨を前に引き寄せてまったのです。
オステオパシーのテクニックを知っている方はわかると思いますが、少しの力でも持続して力を入れると、骨が動いてしまうのです。
AKAしかり、クラニオセイクラルしかりで、最近流行りのソフトなテクニックは、全てその原理を使います。
※ エネルギー療法は別に考えますので、ここでは触れません。
それで、その患者さんの治療は、最初にコラボ鍼で、円回内筋を狙って、患側の肘から下4~5㎝の辺りにスキン鍼(皮だけに引っ掛ける鍼)をして、健側の筋肉に緊張を与えました。
つまり、「右腕を曲げると肘が痛い」と言っていましたので、左の肘を曲げ、私が抵抗を加えたわけです。
患者さんとしては、何をしているかもわからず、右肘が痛いと言ってるのに、左肘に力を入れさせるのですから、ちょっと不機嫌な感じもしました。
で、スキン鍼を抜いてから、
「どうですか? 痛み取れました?」と言うと、キョトンとしていました。
「いやいや、右肘の痛みは取れました~?」と言うと、やっと気が付いたようでしたが、それでも面白くない顔をしながら、右肘を曲げ伸ばしして、「あれっ?」という顔になり、今度は自分の手で抵抗を加えながら曲げ伸ばしをして、
「あら、痛くないですね。痛くないです」とやっと笑顔を見せてくれた。
そこで痛みが出た原因と治し方の説明をしました。「
治し方の説明は、
「長時間字を書いていると、腕の内側にず~~っと力を入れていますので、力の入った筋肉が骨を引っ張って、肘の関節を歪めてしまったのです。ですから歪んだ関節を元に戻すような治療をしたわけです」と説明しました。
ところが、他にも異常個所がありましたので、そこを治療している間に、再び肘に違和感を感じたようで、
「さっきのような痛みはないのですが、まだおかしい感じがします」と言うので、そのまま寝た状態で、肩甲骨や肩甲骨周囲の筋肉を動かして、筋肉の滑りをよくし、肘関節も少し動かしました。
そして再びテストです。
今度は私が抵抗を加えて肘を曲げてもらったのですが、もう痛みはないようでした。
「治りました。はい。全然痛くないです」と言う。
これは、肘を曲げる動作をして、抵抗を加えてみるとわかるのですが、肩甲骨や脊椎辺りまで緊張しています。
つまり、肘が痛いと言っても、筋肉の連鎖で背部や胸部まで緊張があるので、そこまで治療しなければならないということです。
この症状は、簡単な機能的な問題ですので、多分、この1回で治ったと思います。
参考のために、「腕橈骨筋」と「円回内筋」の説明を書いておきます。
上のイラストや、ここでの説明は、 筋肉ガイドさん からお借りしています。
腕橈骨筋:腕橈骨筋は、上腕骨の遠位端から、橈骨の遠位端へ走行する筋肉ですが、この一つの骨の遠位端から他の骨の遠位端に走る筋肉は、腕橈骨筋が唯一です。外側上顆から始まり手首に走る筋肉のうち、短橈側主根伸筋の障害で外側上顆炎が起きますが、この部位に付着している筋肉は、伸転筋が多いのですが、腕橈骨筋は、屈曲筋として働きます。また、主導筋ではなく、肘や手首に負荷が掛かるような動作において、補助的に活動する筋肉です。
円回内筋:円回内筋は、肘の内側から前腕の外側に付着しています。前腕の外側は橈骨です。橈骨のおよそ近位1/3~遠位1/4あたりに付着していますが、斜めに走行しているので、橈骨を肘の方向に引きつけて、更に屈曲させる方向に、力は働きます。結果として、肘の構造上、回内するのです。ゴルフをしていて痛める肘関節痛は、内側上顆炎が多いですが、この円回内筋の過使用も原因であることが多く、この筋肉をケアする事が、ゴルフ肘の関節痛を緩和する一つの治療手段となります。触診は簡単です。肘の内側を触診して、出っ張りを見つけます。ここが内側上顆です。他方の手で、ここを触診しながら、調べる側の前腕を回内します。すると筋肉が緊張することが確認できます。

腕橈骨筋

円回内筋
今度の 臨床実践塾 では、手技療法や鍼灸療法で、「ハリックマジック」の解説をする予定です。
「治る」には、異常個所を整える必要があり、再発しない状態を維持することができた時点で「治った」となります。
筋・骨格系では、解剖生理学を中心に説明した方がわかりやすいので、解剖生理で説明するつもりですが、解剖生理で説明しにくいものもあります。
鍼灸の経絡を使った治療法です。
たとえば、頭が痛いのに足に鍼を刺して治す。
腰が痛いのに手に鍼をして治す。
これは解剖生理を中心に勉強をしてきた人には理解できないことだと思います。
タイトルのような症状を訴えて来た方がいました。
筆で字を書く人に多く見られる症状です。
構造で考えると、腕橈骨筋や円内転筋に長時間力を入れたために、肘関節で、橈骨が前側にズレたことが原因と考えられます。
つまり、それらの筋肉が橈骨を前に引き寄せてまったのです。
オステオパシーのテクニックを知っている方はわかると思いますが、少しの力でも持続して力を入れると、骨が動いてしまうのです。
AKAしかり、クラニオセイクラルしかりで、最近流行りのソフトなテクニックは、全てその原理を使います。
※ エネルギー療法は別に考えますので、ここでは触れません。
それで、その患者さんの治療は、最初にコラボ鍼で、円回内筋を狙って、患側の肘から下4~5㎝の辺りにスキン鍼(皮だけに引っ掛ける鍼)をして、健側の筋肉に緊張を与えました。
つまり、「右腕を曲げると肘が痛い」と言っていましたので、左の肘を曲げ、私が抵抗を加えたわけです。
患者さんとしては、何をしているかもわからず、右肘が痛いと言ってるのに、左肘に力を入れさせるのですから、ちょっと不機嫌な感じもしました。
で、スキン鍼を抜いてから、
「どうですか? 痛み取れました?」と言うと、キョトンとしていました。
「いやいや、右肘の痛みは取れました~?」と言うと、やっと気が付いたようでしたが、それでも面白くない顔をしながら、右肘を曲げ伸ばしして、「あれっ?」という顔になり、今度は自分の手で抵抗を加えながら曲げ伸ばしをして、
「あら、痛くないですね。痛くないです」とやっと笑顔を見せてくれた。
そこで痛みが出た原因と治し方の説明をしました。「
治し方の説明は、
「長時間字を書いていると、腕の内側にず~~っと力を入れていますので、力の入った筋肉が骨を引っ張って、肘の関節を歪めてしまったのです。ですから歪んだ関節を元に戻すような治療をしたわけです」と説明しました。
ところが、他にも異常個所がありましたので、そこを治療している間に、再び肘に違和感を感じたようで、
「さっきのような痛みはないのですが、まだおかしい感じがします」と言うので、そのまま寝た状態で、肩甲骨や肩甲骨周囲の筋肉を動かして、筋肉の滑りをよくし、肘関節も少し動かしました。
そして再びテストです。
今度は私が抵抗を加えて肘を曲げてもらったのですが、もう痛みはないようでした。
「治りました。はい。全然痛くないです」と言う。
これは、肘を曲げる動作をして、抵抗を加えてみるとわかるのですが、肩甲骨や脊椎辺りまで緊張しています。
つまり、肘が痛いと言っても、筋肉の連鎖で背部や胸部まで緊張があるので、そこまで治療しなければならないということです。
この症状は、簡単な機能的な問題ですので、多分、この1回で治ったと思います。
参考のために、「腕橈骨筋」と「円回内筋」の説明を書いておきます。
上のイラストや、ここでの説明は、 筋肉ガイドさん からお借りしています。
腕橈骨筋:腕橈骨筋は、上腕骨の遠位端から、橈骨の遠位端へ走行する筋肉ですが、この一つの骨の遠位端から他の骨の遠位端に走る筋肉は、腕橈骨筋が唯一です。外側上顆から始まり手首に走る筋肉のうち、短橈側主根伸筋の障害で外側上顆炎が起きますが、この部位に付着している筋肉は、伸転筋が多いのですが、腕橈骨筋は、屈曲筋として働きます。また、主導筋ではなく、肘や手首に負荷が掛かるような動作において、補助的に活動する筋肉です。
円回内筋:円回内筋は、肘の内側から前腕の外側に付着しています。前腕の外側は橈骨です。橈骨のおよそ近位1/3~遠位1/4あたりに付着していますが、斜めに走行しているので、橈骨を肘の方向に引きつけて、更に屈曲させる方向に、力は働きます。結果として、肘の構造上、回内するのです。ゴルフをしていて痛める肘関節痛は、内側上顆炎が多いですが、この円回内筋の過使用も原因であることが多く、この筋肉をケアする事が、ゴルフ肘の関節痛を緩和する一つの治療手段となります。触診は簡単です。肘の内側を触診して、出っ張りを見つけます。ここが内側上顆です。他方の手で、ここを触診しながら、調べる側の前腕を回内します。すると筋肉が緊張することが確認できます。