甲陽学院創立百周年同窓会総会風景
江嵜企画代表・Ken
母校甲陽学院創立百周年同窓会総会が8月26日(土)12時半からノボテル甲子園で開かれ楽しみにしてでかけた。第一部では、一階「鳴尾の間」で、物故者黙とうに始まり西村貞一(45回生)同窓会会長挨拶、辰馬章夫学校法人辰馬育英会長、今西昭(57回生)、甲陽学院中学校・高等学校校長がそれぞれ挨拶された。
引き続き「リベラルアーツの再考」と題して今田高俊(48回生)東京工業大学名誉教授の講演、あと「甲陽を語る」と題してパネラー5人参加のパネルトークを楽しんだ。講演会会場の様子をいつものようにスケッチした。
第二部は会場を2階「甲陽の間」に移し、98回新卒生入場、旧・新教職員紹介、平田豊(22回生)同窓会相談役乾杯のあと懇親会には入った。阪神タイガースのチアガールの特別出演が彩を添えた。卒業生関係企業からの提供商品の福引、ホームカミング学年(48回、63回、73回)への記念品贈呈、校歌斉唱などと続き午後4時前にお開きとなった。
今西校長挨拶の中では、中学1年生の2泊3日の旅行では鳥取環境センター訪問、中学2年生は信州方面へ3泊4日の合宿、中学3年生は今回で2回目となる豪州への語学研修を行った。
ダイヤモンド社の2017年大学合格力ランキングで難関国公立大学入学で全国3位だった。今年東大合格39名うち現役が34名だった。昨年の東大現役合格は20名だった。保護者からの東大希望が増えた。東京一極集中の表れかもしれない。今年の卒業生213名中、文系が1/4,理系3/4だった。医学部が60名を占めたなどの話があった。
今田高俊氏の講演「リベラルアーツの再興」では、戦後の大学教育に異を唱える動きが1998年から始まった。教養課程を大学入学後1~2年設けるのみでは技術偏重となるとして教養課程を大学院まで拡大した。視野をより広めた教育を目指した。それこそが「リベラルアーツ」と呼ぶ中身だと説明した。
「リベラルアーツ」の3要素として、①市民性の啓蒙、②品格の陶冶(人間形成)、③俯瞰力の育成(文・理等分)を挙げた。「リベラルアーツ」とはギリシャ、ローマ時代にさかのぼる。自由7科あり、文法学、修辞学、論理学の3学。算術、幾何、天文学、音楽の4科からなるとの説明があった。正直、むつかしくて、今田先生の話をメモにとるだけで精いっぱいだった。
パネルトークには今田先生はじめ西村貞一同窓会会長いれて5人が参加した。河内厚郎氏(52回)が司会進行役を務めた。
マイマイ(かたつむり)先生こと生物の 東正雄先生はじめ、物理、化学、数学、歴史、音楽、美術などの授業でもユニークな先生がたが大勢おられた。パネラー一人一人から中学、高校時代の恩師との出会いが披瀝された。それこそが「リベラルアーツ」である。母校は「リベラルアーツ」を当初から既に取り込んでいたのではないかと、話が弾んだ。
「英語のピッカこと池上明先生は「レスポンス(response)」(答える)は[responsibility」(責任)を取る]が本義であると、英語の授業で話された時のことをよく覚えている。「リベラルアーツ」は、そもそも「他からの呼びかけに答えること」である。一つ所に偏するのではない。幅広い視野を身に付けることを本義とする。その本義を既に教えておられたのではないか」と今田先生が紹介、大いに盛り上がった。
パネラーの1人として司会者からコメントを求められた 西村同窓会会長は「最近の傾向だが、会社に入って壁にぶち当たると諦めてしまう。あと立ち直れない若者が増えた気がする。挫折を乗り越えて力強く生きていける子供達を母校も育ててほしい」とエールを送った言葉が印象に残った。(了)