ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

2017年9月24日の臨床実践塾:第二部

2017-09-25 22:52:51 | 診断即治療と虹彩学
今までの「診断即治療」の記事内容は、今後 FC2ブログ に書いていく予定です。


臨床実践塾での実技



第二部は私の担当になるのですが、臨床講義を始める前に、「人間学」の話をするようにしています。
それは、鍼灸師は開業を目指している方が多いので、経営よりも先に「人間学」を学んでほしいと考えるからです。

では、人間学とは何かというと、デジタル大辞泉によると、
【人間の本質を哲学的に研究する学問。神や宇宙に対する人間の関係あるいは身体や精神の在り方など、人間に関する考察は古くからなされてきたが、人間学という概念は近世になってからできたもので、哲学の基礎学としての性格が強い。】と書かれています。

学者さんが書かれた文章だとちょっと分かり難いですねー。
ですから、ここでは「人間の本性や,人間と世界との関係などを研究した学問」と省略しておきましょうか。
人間学は、『論語』、『韓非子』、『貞観政要』など、中国古典から、「人間の心や行い」を学ぶのが多いので、それでもいいかと思います。

それで、その人間学を学ぶ事で、経営者としての資質を養い、経営者としての指導力を鍛えていくわけです。
(脂質のない私がこんなことを書くと笑われますが…)
それで今回は『貞観政要』にある、「起業と継承」に関することを取り上げてみました。

【守成は創業より難し】
これは、創業と守成はどちらが難しいかを考えるのですが、創業には創業の、守成には守成の苦しみがあり、難しさで云うとどちらも甲乙つけ難いことです。
治療院を開業するのに、「こうすれば必ず成功する」という王道がないので、本人の才覚が要求されます。

きょうのFacebookに、月刊誌の致知出版社さんからの投稿があったのですが、松下幸之助さんは、こう話していたそうです。
【僕はな、物事がうまくいった時には、いつも皆のおかげと考えた。うまくいかなかった時はすべて自分に原因があると思っとった】

成功者が口を揃えて言う言葉に、「私は運が良かったのです」というのがありますが、成功者というのは、常に他人や世界や自然から恩恵をありがたく受け止めているというのを感じさせられます。
しかし、一代で西武王国を築いた堤幸次郎は、息子たちを戒めて、こう語ったといわれます。

「事業というものは、人の後追いをしていたのでは必ず失敗する。人の後追いをすれば、競争になる。競争のなかで客をもてなすのにまともなサービスができるか。だから、事業はまだ人のやっていないことをやるに限る」と。

また、イトーヨーカ堂グループの創業者伊東雅俊もこんなことを言ってるようです。
「創業期に他人と同じことをやっていては成功しない。違うやり方でやったからこそ成功した。その経営手法は血を分けた子供であろうと、語り継げても受け継げない」と。

昨今の治療業界では、「一人治療院でも、真似するだけでウン百万円を売り上げることができる」等々と宣伝して、セミナーへの集客をしていますが、その宣伝文句に乗せられては先が見えているように思います。

ですから今回のセミナーは、「真似すればいい」というものでもなければ、「参加していればいい」というものでもなかったのです。
「自分で考えるためのヒント」を説明するのが目的のセミナーでした。
「自分で考える事」を学べば、創業も守成もできるようになると考えるからです。

「古い! 固い!」と言われるかも知れませんが、そのような基本的なことを学んでから、初めて治療テクニックを学んだほうが、軸がずれずに目的を達成しやすいと考えているのです。

一度現実を知る為に、治療院と取引している業者さんの話も聞いてみてください。
結構悲惨な話が多いものです。
「月に何件開業し、何件廃業するのか」と聞いてみてください。
驚きますよ、きっと。

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きのうの臨床実践塾・第一部

2017-09-25 13:02:18 | 診断即治療と虹彩学
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下腿三焦経と心包経の実験



第一部は、矢田部先生が「特効穴の実技と解説」とタイトルでお話をして頂きました。
矢田部先生は鍼灸学校で経穴も教えていますので、経穴には精通しています。
昨日の講義は、主に七星論での「下腿三焦経」に重点を置いていました。
普通に「三焦経」と言えば、「手の少陽三焦経」になり、教科書には「下腿三焦経」などというのはありません。

では、何故「下腿三焦経」などというのを作ったのか、ということになります。
たとえば、鍼灸学校で学ぶ経絡では、経絡は手足の指(趾)に始まったり終わったりします。
しかし、足の第3趾には何の経絡も流れてないのです。

ないならないでもいいのですが、ASO(閉塞性動脈硬化症)で足趾が壊死するのは、第3趾からなのです。
それは、「三焦経は生命エネルギーの始まり」という考え方があり、その考え方からすると、体が弱るときも三焦経からではないかと考えることができるわけです。
つまり、「三焦経の生命エネルギー」の流れが途絶えるとき、体は機能を失い、壊死してしまうと考えたのです。

そして、大学で脳の研究をされている医学博士の先生も、「それは納得できる」と話していたそうで、脳の実験をしている時に、「胃経でも胆経でもないラインに顕著な反応があったので…」と答えていたそうです。

ま、下腿三焦経があるかどうかというのは、これからの問題にするとして、当院では下腿三焦経を臨床で用いています。
これは、私の感覚ですが、胃経の上巨虚とか下巨虚を使うよりも、下腿三焦経を使った方が治療効果はいいのです。
臨床家は、理論よりも結果を重視するのが一般的ですので、いつしかそのようになってしまったのです。

そこで矢田部先生は考えました。
「臓腑は表裏で表されるが、下腿三焦経の表裏はどうなっているのか」と。

表裏とは、以下のようになっています。

経絡の表裏関係

そして、出した答が、足の三焦経の表裏は、手の三焦経の表裏と同じで、「その裏を心包経に求めていいのではないか」ということになったようです。

何故実験が必要なのか?

これは私が口癖のように言うことなのですが、
「古典にそう書かれていました」とか、
「◯◯先生がそう言っていました」と言うのは、理路整然のように聞こえますが、それは文献や他の意見に逃げているに過ぎないのです。

「で、あなたの意見はどうなの?」という質問に答られるようするのがいいと考えるわけです。
「本に書かれていた」とか「あの先生がこう言ってた」というのは、人が違い、場所が違い、時代が違い、環境が違うで、通用しないことがたくさんあります。
たとえば冷え性。
クーラーが汎用される時代になってから、夏でも冷え性が増えてきました。

鍼はどうですか。
中国鍼は太いです。
現在は少し細くなってきましたが、太い鍼を使っていた時代に書かれた文献を参考にして同じ治療ができるのでしょうか。

こいうのを
「やばい!」
というのではないでしょうか。(笑)

話を戻します。
で、矢田部先生が皆さんの前で実験をして見せたのですが、結果は仮説通りになりました。

こういう公開実験というのは、非常に勇気が要りますが、非常に大切なことです。
たとえば、治療法のDVDが次々と販売されるのですが、臨床モデルの方は必ずと言っていいほど「若い女性」です。
それは見映えもありますが、

① 若い
② 女性

という点で考えると、若いと動脈硬化が進んでないので、体は柔らかいです。
女性は男性よりも身体が柔らかいです。
ですから、関節も動きやすいので、その販売したいDVDに収録されたテクニックは高く見えるのです。

仮に、高齢者の男性をモデルとして使ったら、そのDVDは殆ど売れないと思います。(^_^;)
これ以上書くと石投げられそうですので止めておきますが、ここは「見せるポイント」ですので、皆さんが講師で実技公開する時には、このテクニックも頭に入れててください。

矢田部先生は、その後に「鎮痛穴」などの説明もしていましたが、そんなこんなで、昨日の臨床実践塾の第一部は終わりました。

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