大気汚染生活に“影” 光化学スモッグ+黄砂 鼻炎、のど炎症患者急増 西日本一帯、運動会短縮も(西日本新聞) - goo ニュース
2007年5月26日(土)17:09
中国大陸から飛来する汚染物質との関連が指摘されている光化学スモッグの発生と、同じく偏西風に乗って西日本一帯に降り注ぐ黄砂。この大気汚染のダブルパンチが市民生活に大きな影響を及ぼしている。のどの痛みやせき、鼻水など花粉症に似た症状を訴える患者が急増しているのをはじめ、27日に運動会を予定している小学校では、午前中だけの開催にするなど対応に苦慮している。 (社会部・坂本信博)
●5月の花粉症?
「熱はないし、風邪をひいているわけじゃないのにせきが出て鼻水が止まらない」。福岡市中央区の会社員男性(46)はつらそうな表情で、はなをかんだ。今月中旬から診療所に通い、気管支の炎症を抑える薬を服用中。職場には同じような症状を訴える人が何人もいるという。
福岡県内では5月、アレルギー性結膜炎や鼻炎、のどの痛みなどを訴えて医療機関を受診する人が急増。九州厚生年金病院(北九州市八幡西区)の高橋保彦小児科部長は「例年なら3月で減少に転じる花粉症のような症状を訴える患者が、5月の連休以降、逆に増えた。このころ問題になっていた黄砂の飛来と光化学スモッグの“複合汚染”が影響しているのではないか」と指摘する。
●速やかに中止
光化学スモッグは今季、4月下旬以降、数回、注意報が発令された。範囲は福岡県内のほか、工場のばい煙や車の排ガス汚染がほとんどない長崎県の対馬や熊本県の天草、大分県南部、山口、広島の各県に及び、黄砂の飛来範囲とも重なる。
このうち、27日に85の小学校で運動会が予定されている北九州市では、市教委が注意報が発令されたらイベントを直ちに中止するよう通知している。徒競走など激しく体を動かす競技は、日差しが弱い午前中の早い時間に行うなどプログラムを工夫し、目やのどの痛みを訴えた児童は校舎内で見学させることなどを求めている。
今季、3回、注意報が出た同市若松区の鴨生田小と高須小は、発令の有無にかかわらず、入場行進を省き、開会式も簡略化するなどして午前中で競技を終了する。鴨生田小の古賀茂雄校長は「経験上、注意報が出るのは昼から」と説明し、高須小の佐藤政弘校長は「児童の健康を第一に考えて判断した」と話す。
同じく27日に運動会を行う福岡市や熊本県天草市の小学校でも、注意報が出たら速やかに競技を中止する構えだ。
●飛来量が増大
各地のガソリンスタンドでは、洗車機の前に車列ができている。その列に並んでいた福岡県古賀市の主婦(32)は「洗っても洗っても黄砂で車が汚れる」とウンザリした表情。福岡市中央区で客待ちしていたタクシー運転手男性(52)も「今の時期の黄砂は何かが混ざっていて車体にこびりつく。はたきでは落ちない」とこぼした。
国立環境研究所(茨城県つくば市)によると、光化学スモッグは、日差しが強い▽気温が25度を超す▽無風‐などの条件が重なると発生しやすい。一方、黄砂は春先に目立つものの「気象条件によっては通年で飛来し、量は年々増えている」(福岡管区気象台)という。黄砂は26日から週明けにかけて大量に飛来する見通しで、この間は晴天で日差しも強いため、同気象台は十分な注意を呼び掛けている。
*****************************
気象台は十分な注意を呼び掛けている。
と言われても、黄砂のように目に見えるものではないので、化学物質に対する予防法は難しいですよねぇ。
人事ではないし、個人で対策できるものでもないところが苛立たしい。