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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

ひとり旅の良さ

2009-07-12 07:18:13 | 
 
 年に1,2回、ひとり旅を続けており、この前の熊野でちょうど20回となった。北は小諸、東は銚子、西は伊根、南は太地と行ったけど、もっともっと行きたい所はたくさんある。
 そうして知らない土地を訪れるのは、そのこと自身楽しいものだが、旅の楽しみは他にもある。

 それは、〈素の自分〉に戻れるということ。
 会社にしろ家庭にしろ、役割というのがあって、それらを「演じる」必要がある。課長なら課長、お父さんならお父さん、それは半分自分で選んだものでもあるのだが、それを続けるというのははやり疲れるもの。
 それら「役柄」から少しの間だけでも離れられるというのは、精神衛生上、非常にいいこと。(ついでながら、会社で出世できるのは、役割をうまく演じられる人だそうな)

 もう一つ、会社にいたらいたで、家にいたらいたで、何やかやと話しかけられる。それがとても煩わしく感じられ、返事するのも億劫になる時がある。そういうのからも離れられるというのもいい。
 話をするというのは、頭もそうだけど、気分的に非常に疲れるもの。
 自分の住む街で歩けば、誰かしら知った人に会い、すると会釈なり挨拶なりする必要がある。知らない街だと、その可能性はなくなるわけで、これほど気楽なこともない。

 あといつか話をしたけど、CMに使われた部屋に泊まれたり、地元の子供と話ができたり、海をすぐ目の前に食事できたりと、そういうのもいい。
 なお、このひとり旅を始めたのは、川北義則という人の『人生・愉しみの見つけ方』を読んでから。大人の男だからできることでもあるのだけれど、子供でも学生でも、また女の人でも、たまには〈素の自分〉に戻れるというのは、きっといいはず。

 あー、そろそろまたどっか出掛けるかなあ。

 〔写真は、紀勢本線の車窓から〕


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