思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

増補:A級戦犯が合祀されているから「靖国」が問題なのではありません

2005-06-04 | 社会思想

そんな次元の話ではないのです。
靖国「神社」(日本の神社の伝統とは全く異なる明治政府がつくった施設)という極めて特異な思想を持つ神社ならざる神社に「まつる」ことが間違っているのです。

戦前の「天皇主権」という特異な国家から民主制社会=「主権在民」社会に進化した日本の戦没者の慰霊に、国家神道=天皇教の総本山であった「靖国」がふさわしくないのは誰の目にも明らかです。大多数の戦没者は職業軍人ではなく、赤紙一枚で強制的に戦地に送り出された民衆です。明治政府がつくった「国体」=「天皇制イデオロギー」の犠牲者です。この事実に反論できる人はいないでしょう。

「国体」という極めて特異なイデオロギーとそれに基づいた政治を根本的に反省し改めなくては何事も始まりません。その思想を今日でも堂々と主張し、展示し、宣伝映画を毎日エンドレスで流している靖国「神社」にいつまでも「まつって」おくとは一体どういうことなのですか?「答える」ことができる人はいますか? 明治政府が政府側に立った兵士だけをまつるために作った施設、戊辰戦争や西南戦争で「反・政府」の側に立った人間はまつらないという日本の伝統を否定したこの「神社」(国家神道という明治政府が作った新・宗教の総本山)にまつっておくことは根本的な間違いです。

現代の日本人は、特殊なイデオロギーの信奉者でない限り「靖国思想」に賛同する人はいないはずです。
政府は一刻もはやく兵士だけでなく全ての戦没者をまつる「公共墓苑」の創設に着手しなければいけません。これは現代の政治家の義務です。論を待ちません。


増補:本日6月5日朝の8チャンネルで「靖国」問題を取り上げていました。不十分ながら管民主党前代表は、「国家神道」と神道の違いを指摘していましたが、竹村や西部など他の出演者は、靖国の「国家神道」と伝統の神道との根本的相違に無自覚で、笑止でしかありませんでした。大学の学長(西部)がこれほど無知な国もないでしょうね。明治政府の日本像改ざん=洗脳の深さを見る思いです。

6.4 武田康弘



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