思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

戦争ゴッコー男の子の成長(メール対話)

2006-02-12 | メール・往復書簡

以下は、公共哲学ML内でのメール対話です


武田です。
久松さんらの努力に感謝します。

小学生の時以来の考えですが(まったく進歩なし!笑)、自衛隊は、大規模災害の救助をその中心任務とすると規定し、日本の領土が攻撃された場合のみ、防衛のために闘うとすればいいのにな~、それが一番現実的な考えなのに、なぜそうしないのか?今日までずっと不思議に思っています。

そうすれば自衛隊に入りたいという人も増えるし、皆から喜ばれて仕事のやりがいも出て「得」なのに、という考えは今も変わりません。幼稚でしょうかね?

いい年のおじさんが毎日本気で「戦争ゴッコ」をやっているなんて、「頭がおかしい」としか私には思えません。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

武田さん、まったく同感。きくちゆみ

On Feb 7, 2006, at 8:58 AM, 白樺教育館ー武田康弘 wrote:

> 武田です。
> 久松さんらの努力に感謝します。
>
> 小学生の時以来の考えですが(まったく進歩なし!)、自衛隊は、大
> 規模災害の救助をその中心任務とすると規定し、日本の領土が攻撃さ
> れた場合のみ、防衛のために闘うとすればいいのにな~、それが一番
> 現実的な考えなのに、なぜそうしないのか?今日までずっと不思議に
> 思っています。
>
> そうすれば自衛隊に入りたいという人も増えるし、皆から喜ばれて仕
> 事のやりがいも出て「得」なのに、という考えは今も変わりません。
> 幼稚でしょうかね?

いえ、戦争ごっこをやっている方が幼稚ですよ。
男の子と女の子を育てていると、つくづく思うのですが、うちの男の子
(4歳)はやっぱり戦う事や戦闘機などをかっこいいと思い、そ
ういうもので遊びたがり(うちはそういうおもちゃは買ってあげないの
で)、自分で作ったりして、戦争ごっこをします。女の子(5歳)は
まったく興味をしめしません。男の子はいつもいつも「バババーン」と
やっています。

性差なんですかね。それとも個性なのかな。男の子でも違う子もいるで
しょうが。

>
> いい年のおじさんが毎日本気で「戦争ゴッコ」をやっているなんて、
> 「頭がおかしい」としか私には思えません。

ねえ。

――――――――――――――――――――――――――――――――
きくちゆみ様。
武田です。

人間は本能で規定されている部分が少ないために、それに変わる第二の本能とでも言うべき「文化」=秩序をつくり、それに従って生きているわけですが、それは必ず制度疲労を起こします。たえず賦活化していかないと、人間の生の実情と合わなくなり、「文化」による自己疎外が起きます。
人間の文化のありよう=型は、壊し、創る作業を不可避のものとして要請してくるというわけです。

男の子が怪獣や最新鋭の機械、強力な破壊兵器に興味を持つのは、破壊と創造=「型」そのものの変更への欲求で、頼もしい能力です。そうでなくっちゃ!

でもそれが成長しないで、止まる(親が止めてしまう)と、社会をよく変えていくための営為=新たな建築・創造へという方向に進歩せずに、単純な力=戦争への潜在的な憧れを抱えもつ大人になるようです。心の成長が止まってしまった結果です。欲求は十分に肯定される(認められる)と階段を昇るようにできていますが、せき止められると、隠れて増殖してしまいますね。

ダイナミックな逆説を必要とするのが人間とくに男(の子)です。男はバガでどうしようもないですが、そのバカゆえに「地上の星」にもなるというわけです。女性でももちろんそういう人はいますが、大雑把に巨視的に見れば、そういう傾向を持つ、というように思えます。

では、また。
メール、ありがとうございました。


コメント
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